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そう言って苦笑いをすると、しばゆーさんがこっち!と私の手を引き小さなUFOキャッチャーの前に私を立たせ、自分のポケットを探り100円玉を出すとその目の前の機械に投入した。
『え!?』
「俺のおごり!店長には内緒ね!」
そう言って悪ガキみたいな笑顔を見せる。
『わ、私UFOキャッチャー苦手で…』
「そーなの?じゃあ俺が隣で指示してあげます!」
そう言って、ボタンを操作する私に見極めながらストップ!と声を掛けてくれる。
ゆっくり降りていくクレーンは小さな黄色いヒヨコのぬいぐるみを掴むとそのまま持ち上げ、見事穴まで落としてくれた。
『すごい!1発!』
「やったじゃん!」
取り出し口からそのヒヨコのマスコットを出す。
良かったなーと言ってくれるしばゆーお兄さんにお礼を言うと、じゃあ仕事戻るわ!と手を振って行ってしまった。
手元に残った黄色いヒヨコちゃん。
なんだか、しばゆーお兄さんそっくりで笑ってしまった。
『カバンに付けよ』
それからまた仕事が忙しくてなかなかゲームセンターには行けなかったけど、久しぶりに今日は何も無い日だったのでまた立ち寄ることにした。
店内に入ると、しばゆーお兄さんは見当たらなくって、お休みかな?と階段を登ると2階のカウンターに見慣れた金髪。
『…あ』
私の声に反応して顔を上げたお兄さん。
私に気付くと、にかっと笑ってくれた。
「いらっしゃい!やりにきたの?」
『はい』
「そっか!頑張って!」
そう声を掛けてもらって俄然やる気が出る。
今日はしっかり攻略も調べてきた!
せめて一勝出来るように頑張ろう!
『お兄さん!』
カウンターで仕事をしていたしばゆーお兄さんに声を掛ける。
私に気付くと軽く手を振ってくれた。
『勝った!勝ちました!一勝だけだけど、やっと勝てた!』
「おおお!良かったじゃん!」
興奮気味に伝えるとしばゆーお兄さんも一緒に喜んでくれる。
やっぱり格ゲーって楽しい!としみじみ思っていると、カウンターをゴソゴソと漁るお兄さん。
何かと思って見つめていると、コトンと置かれた缶コーヒー。
「勝利記念!」
そう言って、その缶コーヒーを私にくれた。
『ありがとうございます!』
「また遊び来て」
待ってる。そう言うしばゆーお兄さんの瞳がすごくかっこよくて、ドキドキしてしまった。
缶コーヒーを抱え店を出る。
ふと見ると、缶の底に付箋が貼ってある。
見てみると、お兄さんの連絡先。
思わず体が熱くなった。
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ヨウ(プロフ) - ななみさん» そう言っていただけて良かったですー!また続編の方にも遊びに来ていただけると嬉しいです! (2019年6月25日 0時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - キュンキュンしちゃいました〜!すっごく読みやすい文章で大好きです!ありがとうございます! (2019年6月20日 22時) (レス) id: d77610da69 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - なぁさん» いつもありがとうございます!中村先輩、まだキャラがブレブレで申し訳ないです…続編頑張りますね! (2019年6月20日 21時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - ななみさん» ありがとうございます!寛太先生続編書かせていただきました!期待に添えたものではなかったら申し訳ありません…また遊びに来ていただけると嬉しいです! (2019年6月20日 21時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» リクエストにお答え出来るようなお話書けるか分かりませんが…はたらくおにいさん。の橙くんはツンツンキャラが多かったので頑張ってみますね! (2019年6月20日 21時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨウ | 作成日時:2019年4月21日 1時