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「…ぁ、…A様…」
『…』
善は急げ、と言うし、多少気まずくても、気にしてはいられない。
もしかしたら、この子は前世で私と関わりがなかったかもしれない。
しかし、そんな推測は今は毒でしかない。
『おはよう、先日はごめんなさいね、気を遣ってくれたのに』
「え、あ、いや、…そんなこと…」
『ロボロ様から聞いたわ、ここ数日元気が無かったと、私のせいで、気に病まないでね、あれは私が悪かったわ』
「そんなことありません!私が、ちゃんと言葉にしていれば…あの時は、私も焦ってしまって…」
『決してわざとじゃない、ということは分かってるわ、本当にごめんなさいね』
「こちらこそ、申し訳ありませんでした…」
記憶が戻るような雰囲気はない。
この場面は前世には存在しなかったか。
これは骨が折れそうだ、0から1を生み出すのでさえ難しいのに、10を要求されてる気分だ。
『さあ、朝から暗い顔をするのは良くないわ、食堂に向かいましょう、久しぶりに沢山お話を聞かせて貰える?』
「っ、勿論です!実はですね、この前___」
ああ、この明るく可愛らしい雰囲気、嬉しそうな笑顔。
癒されるんじゃぁ…。
頰が緩みそうになるのを必死に抑えて、微笑み程度に何とか抑えるが、引きつってないだろうか。
「それなのに、ロボロ様、なんて言ったと思います?アホなんちゃうかって!心ないお言葉に、百華は本当に傷ついたんですよ!」
なんて、浮かれていたのが悪かったのか、いきなり襲う頭痛に、立ち止まり、壁に手をついた。
[だから!ロボロ機械得意でしょ?百華のパソコンもちょっと見てよ]
[いや、な?ソフトとかならまだ見てやれるけどな、壊れた機械直せるほど専門的ちゃうんやって]
[壊れてないよ!ちょっと電源つかなくて、煙出てるくらいで…]
[それは…壊れてるんじゃないかな…]
[え、Aちゃんまで!?]
[それならトントンに頼めや、俺よりも有能やで]
[そういうんじゃなくてさぁ…!あ、そうだ、ロボロって、何かとラッキーじゃん!だから、ほら、こう、ばんって叩いてさ]
[アホなんちゃうか]
[素直に家に来ないかって聞けばいいのに]
[っ、ち、違う!そんなんじゃないの!]
[お、お前、人前でな、なん…!]
[ちょ、顔赤くしないでよ!そう言う意味じゃなくて!遊びに来てって意味で…って、あ、違う!]
[初々しいなぁ、ロボロ君と百華は]
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五千時(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます!凄く嬉しいです!励みになります〜!更新頑張ります!! (2020年4月16日 19時) (レス) id: 76bb208c06 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - このお話最高です!推理要素もあってとても楽しめます。今ある話まで一気読みしちゃいました笑更新頑張ってください!! (2020年4月16日 18時) (レス) id: abc489c33a (このIDを非表示/違反報告)
五千時(プロフ) - Black Aliceさん» コメントありがとうございます!夢主以外の視点も書きます!近々その話が出ると思いますのでお待ち下さい! (2020年4月13日 19時) (レス) id: 76bb208c06 (このIDを非表示/違反報告)
Black Alice(プロフ) - とても面白い小説に巡り会えたと心から思える程、面白かったです!1つ質問なのですが、夢主以外の視点は書いたりしますか? (2020年4月13日 18時) (レス) id: 10501c80b3 (このIDを非表示/違反報告)
五千時(プロフ) - ゆうさん» コメントありがとうございます!いやぁぴくとさん黒幕で使うの夢だった…!更新頑張ります! (2020年4月12日 22時) (レス) id: 76bb208c06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:五千時 | 作成日時:2020年3月30日 22時