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ということは、だ。
あの時、私が雪菜の記憶を思い出したのは、偶然じゃなく必然的なものであると考えて間違いない。
そして、それに条件らしきものがある、ということも。
『…前世の記憶と同じような、いや、同じ場面じゃないといけない…でもそんなの、いちいち予測してられないし…』
当たって砕けろ方式ですねわかります。
取り敢えず、ひたすらヒロイン達と関わらないといけないのだ。
それに、あの瞬間に思い出した雪菜の記憶は、あの口論だけだったが、まるで、今まで忘れてなんかいなかったかのように、彼女に関する他の記憶も、気づけばある。
顔は見えないが、雪菜の彼氏の存在も、いた、ということは覚えている。
『…それと、グルッペン様にも、いろいろ聞きたいな』
しかし、ぴくとさんと同じで、そう易々と話してくれるとは思えない。
予想ではあるが、ぴくとさんの言っていた、企画者とはグルッペン様のことだろう。
この世界のシナリオを、グルッペン様が作った。
非現実的すぎて、頭でまとめるにはキャパオーバーがすぎる。
「おお、花は届いたか」
『…グルッペン様』
「Aは黒い薔薇が好きなのだろう？ちょうど、庭園も新しい彩りが欲しいところだったしな、どうだ、気に入ったか」
『ええ、とても』
「…そうか、喜んでもらえて何より、ところで、ぴくとさんは、お礼を言おうと思ったのだが」
『先程、急用だとかでお帰りに』
「そうなのか、まあいい、手紙でも書くか」
全て、貴方が仕組んだ舞台なのですか。
そんなことを聞けるわけもなく、ただその顔を見つめた。
このシナリオが、どんな結末を迎えるかなんて、予想もできないけれど。
とても、楽しいお伽話なんかでは終わらない。
この人が、私を、ヒロイン達を、千里さんを。
作り上げた、否、設定した、の方が正しいか。
『グルッペン様、一つ、お聞きしてもよろしいですか』
「どうした」
『貴方様は、私のことを、愛してくださっていますか、今、この瞬間も』
グルッペン様が、何処までを把握しているのかはわからない。
私に記憶があることも、ぴくとさんという、世界の主催者に会ったことも、私が今、疑念を抱いて接していることも。
「当たり前やろ、愛しとる」
少し不満気に、眉を顰めてそう言った。
その言葉は、嘘ではない気がした。
だからこそ、尚更疑問である。
キャラクター設定は、全て著者の役目。
私を愛していながら、どうして、悪役令嬢なんて役割を与えたのか。
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五千時(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます！凄く嬉しいです！励みになります〜！更新頑張ります！！ (2020年4月16日 19時) (
レス) id: 76bb208c06 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - このお話最高です！推理要素もあってとても楽しめます。今ある話まで一気読みしちゃいました笑更新頑張ってください！！ (2020年4月16日 18時) (レス) id: abc489c33a (このIDを非表示/違反報告)
五千時(プロフ) - Black Aliceさん» コメントありがとうございます！夢主以外の視点も書きます！近々その話が出ると思いますのでお待ち下さい！ (2020年4月13日 19時) (レス) id: 76bb208c06 (このIDを非表示/違反報告)
Black Alice(プロフ) - とても面白い小説に巡り会えたと心から思える程、面白かったです!1つ質問なのですが、夢主以外の視点は書いたりしますか？ (2020年4月13日 18時) (レス) id: 10501c80b3 (このIDを非表示/違反報告)
五千時(プロフ) - ゆうさん» コメントありがとうございます！いやぁぴくとさん黒幕で使うの夢だった…！更新頑張ります！ (2020年4月12日 22時) (レス) id: 76bb208c06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：五千時 | 作成日時：2020年3月30日 22時
