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それから３０分程、二人で当たり障りのない会話をしながら飲んでいると、
「遅れてごめんねっ」
と息を切らせて現れたアキさんは、一見いつも通りに見えて、
「Aちゃん、ごめんねっ！
お店の場所とかすぐ分かった？
ヤッさんに口説かれたりせぇへんかった？！」
さっとあたしの隣に座って、顔を覗き込むようにして矢継ぎ早に言った。
「大丈夫ですよ〜」
とりあえずその質問全部に対しての答えを返すと、
「良かったぁ。」
と無邪気に笑った。
だからあたしには、やっぱりいつも通りの、何ならいつもよりも元気な彼女に見えていたけれども、
「ちょお、人をがっついた男みたいに言わんといてや。」
章ちゃんは少しむくれたような顔をした後、すぐに、
「ーーほんで、アキは大丈夫なん？」
真っ直ぐに彼女の顔を見た言った。
その言葉が合図のように、アキさんは笑顔を崩して、
「、、大丈夫、じゃない…」
小さな女の子みたいに、眉毛を下げて拗ねたような、怒ったような顔をして、小さく答えた。
見慣れない二人の表情とか、何か特別な空気感に、
あたしはここに居てもいいのかな？と正直、居心地の悪さ感じた。
だけど、その一方で、どこか甘くて切なくて苦しい、その空気に惹かれて、
黙って二人を見つめていたら、
「ーーAちゃん…ちょっと、、じゃなくて思いっきり愚痴ってもええ？」
申し訳なさそうに、だけど甘えるみたいにあたしの顔を見るアキさんはやっぱり可愛くて、
「あたしが聞いてもいいお話だったら、ぜひ聞かせてください。」
��癒し系��と評されるとっておきの笑顔で答えた。
ボトルキープされた焼酎をなかなかの濃さとペースで飲み進める彼女から語られたのは、
��乗り過ごして完全に降りるタイミングが分からなくなった初恋��
の物語。
幼なじみの大倉さんを思い続けるアキさんと、それには応えられないくせに彼女を縛る大倉さん。
そして彼女も結局、そんな彼から離れることが出来ないでいる。
要約するとそんなストーリーで、
一方的で申し訳ないが、あたしはこの時点で大倉さんは��敵��と認識した。
「彼女と別れたばっかりやのに、もう新しい子連れ込んでたんよ！
しかも、人のこと呼び付けておいて記憶ないとか何なん？！禁酒しろっ！」
と荒ぶる彼女を、
「アキも飲み過ぎやで。」
となだめる章ちゃん。
こうしてあたしは、彼女の綴る長い長い恋の物語の観客となった。
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まめまめた(プロフ) - まゆまゆさん» まゆまゆさん☆せっかくリクエストいただいたのに随分遅くなってしまってすみません(;´д｀)読んでいただけてヨカッタ〜( ´∀｀) (2020年5月31日 11時) (
レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - リクエストにお応えしてくれてありがとうございました。此方に感想失礼します。読みました。とてもお話が面白くてお二人の様子が可愛らしくてお話の中だけど幸せになって欲しいと思ってしまいました。これからも頑張ってくださいね。 (2020年5月30日 1時) (レス) id: 381d27e867 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - 美波さん» 美波さん☆コメントありがとうございます！幸福論はいつもとテイストが違いシリアス強めな作品ですが、私自身も気に入っているお話なので、大好きを頂けてとっても嬉しいです( ´∀｀) (2020年5月22日 10時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - まゆまゆさん» まゆまゆさん☆お返事遅くなってすみません(＞人＜;)横山君のお話、実は私も書きたかったのですが、もう話数がいっぱいでアップ出来ず…かと言って別の短編集に突っ込むのもいきなり過ぎるし…と困っております(;´д｀)どこかに置き場が出来たら書いてみますね！ (2020年5月22日 10時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
美波(プロフ) - 初めまして。いつも作者さんの作品たくさん読ませていただいてたのですが、初めてコメントします！好きなお話沢山あるんですけど、このコトノハの幸福論が本当に大好きで何回も読み直してて、伝えずにはいられなくなりコメントさせてもらいました^ ^ (2020年5月22日 2時) (レス) id: 2630bc6126 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめまめた
| 作成日時：2019年12月14日 17時
