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「ハイっ、おーしまいっ♪」
チャンチャン♪
なんて効果音?のオマケ付きの、ご機嫌な声と共にあっと言う間にあたしのデスクに戻ってきた資料は、綺麗にホチキス留めされていた。
「っ、ありがとうございますっ、、」
ほぼ同じタイミングであたしも最後の束を留め終わり、慌てて立ち上がって頭を下げると、
「そっちもおしまい、やね。
ほいじゃ、帰りますよ〜」
大好きなふんわりまぁるい笑顔で、優しく帰り支度を促された。
消灯、施錠をして、エレベーターに乗り込むと、
そこまで、余りにも自然かつ強引な流れに呆然としたまま流されてきたあたしも、
ようやく事態を理解した。
(ーーえっと…何、この神展開…
夜のオフィスで憧れの先輩と残業。仕事を手伝ってもらって、今、エレベーターに二人きり…
え?もしかして、これ、駅まで一緒に帰れる感じ?)
ここまでの流れを整理しながら、あまりにも出来過ぎな展開に胡散臭さすら感じてみたり。
それでも、
(ーー手伝ってもらったお礼に、お食事とか誘っても、よかったりするのだろうか…)
なんて図々しく大胆な事を思い付いてみたり。
…まぁ、そんな勇気があるはずもないが。
「あのっ!本当に有難うございましたっ、」
とりあえず、何か話さねばっ!と、再度深々と頭を下げてお礼を言えば、
「ん?ボク、ただぱちんぱちんしただけ〜」
ふにゃんと笑う丸山さんのお月様のような目とエクボに目眩すら覚えた。
パーテーションの隙間からたまに見える姿を遠くから眺めるのが精一杯だったあたしに、
この空間は刺激が強過ぎたのだ。
思わず俯いたあたしを心配してくれたのか、丸山さんはあたしの顔を覗きこむように更に距離を詰めて、
「どうしたん?気分悪いん?
章ちゃんに連絡してあげましょか?」
心配の色を浮かべた目で真っ直ぐにあたしの顔を見つめて言った。
「大丈夫ですっ、」
丸山さんのその言葉に、引っ掛かりを感じつつも、顔をあげて何でもないとアピールした。
「あ、章ちゃん今夜は課長と飲みに行ってるんやっけ?」
…いや、ヤスの予定なんて知りませんが。
あたしがヤスの事なら何でも分かっているとでも言うような言葉に、引っ掛かりは不安に変わった。
「ーーあの…あたしと安田君は、、」
「付き合ってるんやろ?」
不安を打消すために発したあたしの言葉を遮るように、
丸山さんは不安を確信に変えた。
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まめまめた(プロフ) - 渡璃凛さん» 渡璃凛さん☆はじめまして!コメントありがとうございます!文才なんて恐れ多いっ( ;´Д`)誤字脱字だらけののろのろ更新ですが、引き続きよろしくお願いします(^^) (2020年9月9日 13時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
渡璃凛(プロフ) - 初めまして!更新めっちゃ嬉しいです!その文才本当にリスペクトしております、、!更新頑張ってください!! (2020年9月5日 14時) (レス) id: d9624783f4 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - ブルームーンさん» ブルームーンさん☆パワーワード笑確かに!笑 (2020年7月13日 12時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - こんにちはm(_ _)m「章ちゃんの相方ちゃん」…なんてパワーワード…呼ばれたい…(ストーリーの主旨と離れててすみません) (2020年7月5日 22時) (レス) id: a475b78d7e (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - あーばるさん» あーばるさん☆コメントありがとうございます!他の作品も読んでいただいているとは、有り難し( ´∀`)今のところ丸山さん出番少ないですが、ここから出番が増えますので、お楽しみいただけるようがんばります! (2020年7月5日 19時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まめまめた | 作成日時:2020年1月28日 14時