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いつだって前を向いていて、
何かあっても「しゃーないな！」なんて一言で不安も不満も捻じ伏せて、
グングン前に進んで行く信五は、
あの時だって、あたしとの別れの寂しさよりも、未来への希望を胸に飛び立って行った。
そう思っていたのに。
いや、きっとそれも間違いではないけれど、
だけど、
本当は寂しがり屋で愛情の深いあなたが、あたしを簡単に切り捨てられないことも、分かっていた。
だからこそ、心のどこかで期待していた。
だからこそ、ただ流れて行く時間に傷付いた。
自分から連絡することもせずに。
本当に身勝手なのは、どっちだったのだろう…
「ーーそんなこと言ってる間に、あたしが別の人と付き合って、結婚しちゃってたらどうするつもりだったのよ？」
今度はあたしが、俯いたままの信五の顔を覗き込んで、そっと指先に触れてみた。
驚いたように顔を上げてあたしと視線を合わせた信五は、
それから緩く絡まった手に視線を落として、その指に、ギュッと力を込めて、
クシャッと、泣いているみたいに笑った。
「そこんとこは、ほれ、優秀な諜報部員がおったから、な。」
「ーーあたしの個人情報、だだ漏れだったわけ？」
��ごめんなぁ、A。��
と可愛く顔の前でパーの手を立てて謝る章大の顔が浮かんで、
少しの怒りと感謝と愛おしさが込み上げて、
ふふっ、と思わず笑み漏れた。
だけど、そんなあたしの様子に、信五は眉を困ったように下げて、少し潤んだ瞳を揺らしながら、
「ーーなぁ。
その顔と、この手ぇは、都合よく受け取ってええんか…？」
ひどく情けない声で言った。
それをただ愛おしく思ってしまうあたしにとって、
結局この５年間は何だったのだろう。
ただ、そんな自問自答とか、��今更��なんて言い訳ぶった言葉を何処かに蹴り飛ばしてもいいと思うくらいには、
今のあたしはフワフワしたものに満たされていて。
部屋中に散らかり放題になった、沢山の思い出も感情も、もうどうやってしまい込んだらいいのか分からないし。
無かったことにはならない５年間をどう処理するかは追々二人で考えるとして、
今はとりあえず…
「ーーおかえりなさい、信五。」
久々過ぎてなんだかぎこちなく、目の前の胸に飛び込めば、
「…ただいま」
痛いくらいきつく背中に回された腕に閉じ込められて、二人の間の隙間はゼロになった。
＊fin…？＊
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さくらもち - 更新されていた当時からこっそり読ませて頂いていました。久しぶりに読んでみて、やっぱりまめまめたさんの作る世界が大好きで、ずっと1番です。もうここにはいらっしゃらないかもしれませんが、どうか届きますように。 (3月7日 2時) (
レス) id: 5f7a39fac4 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - ブルームーンさん» ブルームーンさん☆今回も最後までお付き合いありがとうございます！こんな贅沢な眠れない夜なら大歓迎ですよね(//∇//)続き、やっぱり気になります？今妄想中のお話が書けたら、続編頑張ってみようかなぁ… (2021年6月4日 19時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - 飲みの帰りに大倉くんに焼きモチ焼かれて、安田くんに１日一人占め宣言されて、横山くんがゲロ甘…。こんな夜過ごしたらバチ当たるよね！バチ当たりたい！！続編、何卒m(__)m (2021年6月4日 2時) (レス) id: d5063d2f63 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - ブルームーンさん» ブルームーンさん☆新しいアルバムの特典とかにどうですか？！笑 お願いします、インフィニティさん（^人^） (2021年1月25日 13時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - え…この乙女ゲーム、どこでダウンロードできますか？(笑) (2021年1月23日 2時) (レス) id: a475b78d7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめまめた
| 作成日時：2020年9月9日 13時
