marriage of convenience 2 【降谷零】

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｢あ、Aちゃん！こっちこっち｣
｢お待たせしました｣

指定された店に行くと、既に由美と佐藤は来ていた。空いている席に座り、皆でメニューを見てそれぞれの注文をする。

｢こうして3人でのランチって久々ですね｣
｢そうね〜。て、それよりも……Aって朝霧龍臣とどういう関係なの！？｣

由美から龍臣の名が出てきたことに驚く。

｢えっと……｣
｢ちょっと由美、ごめんなさいね急に。実は私達朝霧君からこの前Aちゃんの事聞かれてね｣
｢そーそー、あの朝霧刑事がいきなりよ！？｣
｢『あの』……？｣

由美の言葉がひっかかって尋ねると、朝霧龍臣刑事について色々と教えてくれた。
龍臣の整った容姿から警視庁では結構ファンが多いらしく有名なんだという。
確かに思い出してみると学生時代も彼は人気で密かにファンクラブもあったと噂で聞いたことがある。それは現在でも同じようだ。

｢ただの幼馴染ですよ｣
｢ただのって……あんたねえ｣
｢まあまあ、Aちゃんにはもうイケメンの旦那がいるんだからそれくらいにしてあげましょ｣

それもそうね、と由美はその勢いを鎮めた。

とは言っても私も女なので彼のことを気になったことがないのかと言うとそれは嘘で、優しくてカッコイイ彼に憧れていた時期もあった。
容姿にだって人並みに惹かれるし、正直周りの女の子達よりも彼に好かれたいと思っていたのがとても懐かしく感じられた。
でも、降谷に対する想いと比べるとあれは恋愛感情と言うには少し幼くて、あくまでもあれは憧れ止まりの感情だったのだと今になっては思う。

｢そう言えばこの間の爆弾騒ぎ、大丈夫だったの？｣

この間の爆弾騒ぎというのは、最近ニュースでもやっていた警視庁に届いたという爆弾予告状の事だろう。

｢ええ、ただのイタズラだったわ｣
｢やめて欲しいわよねー。こっちが混乱するのを楽しんでるんでしょうね｣
｢犯人はまだ？｣
｢ええ、全く｣

犯人の足はついていないが、イタズラということで処理され刑事達も特に深追いしないとしたらしい。しかし警察にイタズラだなんてよくやるな。私なら怖くて絶対に出来ない。

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