最終話 ページ23
子鳥のさえずりがどこからか聞こえる。重たい目を少しだけ開けるとカーテンの隙間から朝日がこぼれ落ちていた。
「はぁ……」
単純に朝は弱い、上半身をあげると共に自然に出るため息に反応したのか、横にいる降谷がもぞもぞと動いた。
いつもピシッとしているのに、起きようとする意志がないように見えてとても可愛らしい。ボサボサになって、それでも柔らかい色素の薄い髪を撫でるとゆっくりと彼の目が開いた。
「おはよ……」
「おはよう、ご飯作ってくるね」
「ん……」
これはまた寝るな……そう思ったので私はベッドを出ると同時に掛け布団をいっきに剥がした。
その衝撃に驚き下着1枚の降谷の身が縮こまる。思わず笑うと枕を抱きしめた彼はギロリとこちらを睨んだ。
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「今日は早く帰ってくるよ」
「へー珍しい」
「風見に『たまには奥さんにディナーでも連れてってあげたらどうですか』って言われてしまってね」
よく私たちを気遣ってくれるな……また降谷を合わせてご飯にでも行きたいものだ。
「今度からは浮気は許さないからな」
「そんなこと考えてないってば……」
何かを感じたのか不機嫌そうにそう言った降谷に思わず苦笑いで応える。あくまでも3人でだから!セーフ!
「それじゃあ今日は夕食の用意はいらないね」
「ああ、また店の連絡を入れるよ」
「わかった」
靴を履き、出ていこうとする降谷のスーツの裾を引っ張る。振り向いた彼の唇に頑張って背伸びをして自身のをくっつけた。
「いつかのお返し……行ってらっしゃい」
驚いたようにこちらを見る彼。最初にやったのは自分だというのに何をそんなに驚くのか。いつまで経っても出ていこうとしない彼に首を傾げると、突然ガバッと抱きしめられた。
「仕事行きたくない……」
「はぁ……??」
頭でも打ったのかというくらいの彼の変わりようにある意味呆れを感じる。グリグリと頭を肩に擦り付ける大きな子供を無理やり外に出して扉を閉める。
……さて、今日は早く帰ってくる愛しの旦那様のために、頑張って家事をするとしよう。
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ゆ(プロフ) - ぱぱんださん» 殴り書き文に丁寧に感想くださりありがとうございます。勿論一部の方のみというのは重々承知ですのでこれからも私は続けていきたいと思います (2018年6月11日 1時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - が自身もよくわかるだけに、思わず長々とコメントしてしまいました。失礼致しました。そんな方たちばかりではないこともまた、わかっていらっしゃるかと思いますのでこれからもぜひ、更新頑張って下さいね(*^^*)応援しております! (2018年6月9日 22時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 少し目につき、少々思うところはありました。それだけ人気なジャンルであることは重々承知していますが、自分の作品として世に送り出す以上、最低限、マナーと責任は持つべきだと私は思います。持論を勝手に申し上げてしまって申し訳ありませんが、柚木様のお気持ち (2018年6月9日 22時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 前作から密かに読ませていただいております。ツンツンな降谷さん、とても素敵です!今回、騒動の件を読んでコメントさせていただきました。正直な所そのようなことが起こっていたことすら知らなかったのですが、無断転用や転用とまでいかなくとも非常に似た類似作品など (2018年6月9日 21時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
*柚木*(プロフ) - アレンさん» だいぶ感情に任せて書いたので無茶苦茶な文だったと思いますが読んで下さり、また同意してくださりありがとうございます。このような事を起こらせないことは難しいですが、そういった作品を消して行く事は可能です。お互い良い創作活動ができるよう頑張りましょう。 (2018年6月9日 7時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*柚木* | 作成日時:2018年4月1日 21時