marriage of convenience 2 【降谷零】

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｢唐沢さん！！！｣

新一の説得にも全く耳を貸そうとしない唐沢に皆怒りを覚えていた。しかし、誰よりもその想いが強かったのは降谷だろう。風見は降谷の様子を見てそう思った。

降谷は新一達が説得を試みている間、爆弾のそばにいるAに必死になって安心する言葉を投げかけていたのだ。


『零さん、あと2分しか……』
｢うるさいうるさいうるさい！！みんな俺と同じ思いをすればいいんだ！！絶望してしまえば…………うぐぅ！！！｣

Aの声を遮るように叫んだ唐沢の体が突然床に打ち付けられた。



｢なん、！ひぃっ！！｣
｢なんだそれは…………死ぬことでお前と同じ思いになるのか？生きている、お前と？｣
｢降谷さん！！！｣

唐沢に馬乗りになる降谷を止めようとする風見は降谷によって突き飛ばされ、壁に打ち付けられた。慌てて新一が風見の元に駆け寄るが、大丈夫だという風見の言葉にホッとする。

｢降谷さん、落ち着いてください｣
｢落ち着けるか！！！アイツは！Aは！！怖くても、逃げないで戦っているんだ！！｣

降谷の瞳に皆唾を飲み込んだ。そして、スマホを手に爆弾の前に座っているAの事を画面越しに見る。

｢早く言え！！！！｣

唐沢の胸ぐらを掴み、声を荒らげる。あまりにも強いその瞳に見つめられ、唐沢の喉はひたすらに乾いていった。

｢う………………、わ、わかった！！｣

唐沢がコード言うと同時に、風見は置かれていた降谷のスマホを取り、Aにコードを伝えた。

『……止まりました！』

スピーカーでAの報告を聞き、その場にいた者達は皆歓喜の声をあげた。

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｢エレベーター！動きました！｣

電源の復旧作業も終了し、残されていた人々は無事救出された。その中には老人を背負った龍臣も居た。
龍臣は降谷の顔をチラリと見たが、何も言わずにそのまま救助隊について行った。


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次回長編が全く決まらないので、以前執筆したオチなしの中編をぼちぼち上げていきたいと思っています。安室は出てきませんが、よろしければそちらもよろしくお願いします。タイトル決まり次第こちらで宣伝させていただきます。

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