14 ページ15
「ネクタイとかいいんじゃないですか?」
「うん、定番だけど一番それらしいな」
父へのプレゼントを買いに、私達は最近オープンした無楽町シティビルへ来ていた。
父はスーツにもこだわりがある方で、自分が気に入ったものをよく購入している。父の趣味は大抵把握しているので、私でも選ぶことは可能であるのだ。
「これとかどうかな」
「シックでお父さんも好きだと思います」
「じゃあこれにしようかな……」
龍臣が選んだのはワインレッドのネクタイだ。レジで会計しているのを待っていると女性店員が笑顔で話しかけてきた。
「素敵な彼氏さんですね」
突然の爆弾投下に胸が跳ねた。
「ち、違います……ただの友人です」
「俺にとっては嬉しい勘違いだけどな」
慌てて店員に訂正していると、後からさらにとんでもない発言が聞こえる。振り返ると会計を済ませた龍臣が笑顔で立っていた。
「ちょ、変な事言わないでください!ほら、行きましょ!」
龍臣の手を無理やり引っ張ってその場から離れる。その様子を見て先程の店員さんは一役やり遂げた顔をしていたが勘違いなので本当にやめていただきたい、と心の中で叫んだ。
________________________________________________
「そんな急ぐことないだろ」
龍臣に声をかけられピタリと立ち止まる。彼の手を握っていたことに気づき、離そうとする……ができなかった。何故なら龍臣は私の手が離れないようにグッと握っていたからだ。
「なんですか……」
「さっきの、嘘じゃない」
「や、やめてくださいそういう冗談は……」
ブンブンと腕を振るが全く離れようとしない手を睨む。周りの視線に気づいたのかその手はパッと離れた。
「冗談じゃ……」
龍臣が何かを言いかけた所で爆発音のような音が鳴り、それと同時に少しだけ床が揺れる。バランスが崩れたところで龍臣が私の体を支える。
「な、なに!?」
ザワザワと人々の声がこの場を埋め尽くす。暫くしたところでもう一度大きな音が鳴り、それと同時に全ての電気が消えた。
1038人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆ(プロフ) - ぱぱんださん» 殴り書き文に丁寧に感想くださりありがとうございます。勿論一部の方のみというのは重々承知ですのでこれからも私は続けていきたいと思います (2018年6月11日 1時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - が自身もよくわかるだけに、思わず長々とコメントしてしまいました。失礼致しました。そんな方たちばかりではないこともまた、わかっていらっしゃるかと思いますのでこれからもぜひ、更新頑張って下さいね(*^^*)応援しております! (2018年6月9日 22時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 少し目につき、少々思うところはありました。それだけ人気なジャンルであることは重々承知していますが、自分の作品として世に送り出す以上、最低限、マナーと責任は持つべきだと私は思います。持論を勝手に申し上げてしまって申し訳ありませんが、柚木様のお気持ち (2018年6月9日 22時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 前作から密かに読ませていただいております。ツンツンな降谷さん、とても素敵です!今回、騒動の件を読んでコメントさせていただきました。正直な所そのようなことが起こっていたことすら知らなかったのですが、無断転用や転用とまでいかなくとも非常に似た類似作品など (2018年6月9日 21時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
*柚木*(プロフ) - アレンさん» だいぶ感情に任せて書いたので無茶苦茶な文だったと思いますが読んで下さり、また同意してくださりありがとうございます。このような事を起こらせないことは難しいですが、そういった作品を消して行く事は可能です。お互い良い創作活動ができるよう頑張りましょう。 (2018年6月9日 7時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:*柚木* | 作成日時:2018年4月1日 21時