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「どこに行っていた」
ここで新一の事を話してしまうとどうなるかわからないのでとりあえず友達の家に泊まったと嘘を言った。
「昨日のことだが……」
ビクリと大袈裟に肩が勝手に動いてしまった。それを見てか小さく舌打ちが聞こえて更にビクビクッと心臓も跳ね上がる。泣きそうだ……助けてお父さん。
両手をギュッと胸の前で握る。手汗が凄いことになっている。
「俺はお前と愛し合っていこうとは思っていない」
「で、でも……最初はそんなんじゃ」
「お前がピーピー泣いて父親に助けを求められても困るから、わざわざ妻思いの夫を演じていたんだ」
浮気を錯覚させるようなことをしてしまったのだから、いつ両親に泣きついてもおかしくない為、もう私の前で演じる必要性がないと判断したようだ。
今この場に父や母が居たのならばこの人はニコニコと笑顔を作って私に優しくしてくれるのだろう。
それならもう最初からそのままの貴方であって欲しかった!!と口にはできないが何度も心の中で思った。
彼は非常に優秀な警察官であり、両親もそんな息子ができた事を誇りにしているだろうからこんなにすぐに別れるなんて聞いたらどんな顔をするかわかったもんじゃない。
「他に恋人を作ろうと俺は止めない。俺の妻として褒められない行動さえしなければ良い」
好きな人にこんな事言われて傷つかない奴がいるのか、いやいない。反語を使って己に言い聞かせる。
こんなにメンタル傷つけられて悔しくないわけが無い、その高いプライドをズタズタにしてやる。
志保ほど整ってはないないが嫌われるほどの容姿ではない自覚はあるし、性格だって特別大きな問題はない。
Aさんのことを好きになってもらいましょう
新一の言葉を思い出し、心の中で決心した。受験生の頃のような闘争心が自分の中で芽生えた瞬間だった。
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*柚木*(プロフ) - にゃーのまるさん» ありがとうございます。続きも頑張って書いていきますので応援よろしくお願いします! (2018年4月2日 10時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
*柚木*(プロフ) - nanoka(*´∀`)さん» お返事遅くなり申し訳ありません。嬉しいお言葉ありがとうございます (2018年4月2日 10時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーのまる(プロフ) - 主人公の恋がなかなか叶わないのって夢小説だと少ない方なのでそれプラスキャラ作りが固まっていて引き込まれるストーリーで良かったです。 (2018年4月2日 4時) (レス) id: 4d95e3749f (このIDを非表示/違反報告)
nanoka(*´∀`)(プロフ) - 凄く、心撃ち抜かれました← これから好きになってくやつですね!!すごい好きです!続き、首長くして待ってます!! (2018年3月28日 23時) (レス) id: 3399c25298 (このIDを非表示/違反報告)
*柚木*(プロフ) - ひゆめさん» いつもありがとうございます〜!頑張ります(^^) (2018年3月24日 2時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*柚木* | 作成日時:2018年3月8日 22時