pharmacy (ページ4)

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ym side

あの日から数日が経ち、体調も完璧にとは言えないが大方回復した。

仕事に戻ると案の定山積みになっている資料に手をかける。

涼「……っと、あと何枚あるんだこれ…。」

昼休憩中も少量の食事を胃に流し込んだ後は、パソコンを齷齪と動かした。

上司「……病み上がりだったよな。そんなに無理はしなくていいから、少し休みなさい。」

コーヒーを片手に微笑みながら声をかけ、チョコレートを一つデスクの上においてくれた。

「ありがとうございます。」

この会社の人は優しい。

……ずっとこの人たちと働いていたい。

最近風の便りで聞いたのだが、どうやら近々上司は辞めてしまうらしい。

頼りにしていた優しい先輩も異動があるらしく来月にはここには居ない。

同僚の女性も結婚を機に辞めてしまう。

相棒のように隣にいてくれた友人も、会社を立ち上げこの会社を去る。

今月末にもこの空間は無くなってしまうのだ。

……そして来月頭、また先輩に会わなくてはいけない。

正直なんのために働いているのか分からなくなる。

上司「山田くんはいつも一生懸命だねぇ…。パソコン打ち込むのも入社したときよりずっと速い。」

「恐縮です。」

嬉しい言葉も、今月の終わりを考えると寂しくて。

一度、席を立ち廊下を歩く。

窓からは、暗くなり始めた街が見える。

ビルから溢れる光と街灯で美しく、キラキラと輝いていた。

「………寂しいなぁ…。」

そう呟いた言葉も、こだますることもなく静かに消えていった。

来月、本当に自分はいるのだろうか。

そうした不安だけを残していった。