第24話〈大きい手〉 ページ25
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｢妖精に触れてみる｣
今回の授業内容はそうだった。
妖精というのは魔法士にとって生涯パートナーに成りうる可能性もあるので、貴重且つ重要な瞬間だ。Aは真剣に注意すべき点や、妖精の好きな物について本を調べている間にもゾムは暇そうにちょっかいを出し続けている
本のページを勝手に捲ったり、足をトントンと軽く叩かれたり。終いには腰にするりと腕を回すものだから本の角で叩いてやった
zm｢いだっ…なんでや｣
『授業中ですよ。貴方も学ぶ為にいるのでしょう？』
そう言えばプクッと頬を膨らませ拗ねる。机に上半身をだらりと預け机に散らばる前髪を指に絡ませ遊びながら、ボソリと呟いた
zm｢俺は勝手に入れられただけやもん｣
『勝手に？それはどういう…』
｢こら！そこ喋らない！！！｣
バンっと音がすれば、ケースから出され腕に擦り寄っていたサラマンダーの体から少しの炎が出る。決して熱くないその炎を杖でクルクルと操れば嬉しそうに蜥蜴のような尻尾を振った
黒い皮、ポツポツとオレンジ色の斑点のその体を撫でれば喉を鳴らしぺろりと舐められ、それをジッと不快そうにゾムさんは見つめている
『触ります？』
zm｢いや、嫌われてるやろ｣
『そんな事ないと思うが…』
ほら、とサラマンダーを持ち上げてゾムさんに近付けた。困惑しながらもバッといきなり出した手に驚いたのか、歯は子供なのでまだ無いが小さい口でゾムさんの手に噛み付く。
zm｢このやろっ！！｣
今にも殴り掛かりそうな雰囲気で睨みつけ、サラマンダーへと伸ばす手を私が掴めば握り締める力を弱めてくれた
『もう少し優しく、ゆっくり触ってあげて』
zm｢……優しくってなんや｣
私に掴まれたままの彼の大きい手を引き寄せ、先程彼を噛んだ口へと寄せる。当然また噛まれると引っ込めようとした手を握れば、目を彷徨わせながら大人しくなった
クンクンと小さい鼻の穴からゾムさんの手を嗅いだサラマンダーは、その小さく細い舌でぺろりと舐める。
『そのまま撫でてあげて』
zm｢撫でる？…どうやってやるん｣
『っえ？いや、手を頭に乗せてこうやるんだ』
彼の手をサラマンダーの頭に誘導し、彼の手を掴んだまま撫でてあげるとその小さくつぶらな瞳は閉じた
zm｢…｣
『どうだい、可愛いだろう？』
zm｢気持ちよさそうやな｣
手を離してもその事には気付かず優しく目を細めて撫で続けるゾムさんが、本当の彼なのだと思った
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かんぽ(プロフ) - タダノ・ミソニコミさん» コメントありがとうございます！中々進み具合が遅いので他の方と接触するのは、もう少し先やイベントの時に発展させていこうと思います！ (2020年7月14日 3時) (
レス) id: 9e38ce5fa2 (このIDを非表示/違反報告)
タダノ・ミソニコミ - もう、話の進み方がド性癖過ぎて語彙力溶けました、いつも無茶苦茶楽しみながらみさせていただいてます！毎回見るたんびに残念な頭で思考を巡らせながら読んでますw kn.utのシーンでどういうことだ？ってなりましたね…更新頑張ってください！後、大好きです！ (2020年7月14日 0時) (レス) id: 47c28898f7 (このIDを非表示/違反報告)
かんぽ(プロフ) - トーストさん» コメントありがとうございます！どうやって皆さんを入れてみようかと悩みながらも、時間が経ってしまいすみません！今日中には続編へ行けたらいいと思っています…！ (2020年7月12日 1時) (レス) id: 9e38ce5fa2 (このIDを非表示/違反報告)
トースト(プロフ) - 楽しく読まさせてもらっております。この作品めっちゃ好きです！作者様も好きです！(唐突な告白)体調に気をつけて更新頑張ってください！ (2020年7月11日 23時) (レス) id: 8d298a3565 (このIDを非表示/違反報告)
かんぽ(プロフ) - 仰げば尊死さん» 羨ましいです、元気100倍…。頑張っていきます！ (2020年6月23日 2時) (レス) id: 9e38ce5fa2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：H | 作成日時：2020年5月28日 1時
