Let there be light 4【僕のヒーローアカデミア】 (ページ47)

今日:8 hit、昨日:5 hit、合計:20,505 hit

162 ページ47

新居に足を踏み入れると、広々としたリビングの窓から夏の柔らかな光が差し込んでいた。相澤が一同を集め、共同スペースや部屋の位置を説明する声が静かに響く。説明が終わると、A組の生徒たちはそれぞれ自分の部屋へと散らばり、荷物整理に取り掛かった。

「A、隣の部屋じゃん」

『良かったー、2階の女子部屋1人だけぶち込まれたりしなくて。』

「相澤先生ならやりそうだけど…まあ、葉隠も一緒に部屋向かおうよ」

「私荷物多いから部屋作り大変だよ〜」

耳郎と葉隠と同じ3階の部屋になり、3人で仲良くリビングからエレベーターで部屋へ向かおうとした時

「A、5時に職員室へ来い」

突然の指名に、一瞬Aの足が止まる。耳郎が不思議そうに目を細め、「あんた、何したの？」と肘で軽くつついた。

『さぁ？さっさと皆で私の部屋作り終わらせよ』

Aは軽く肩をすくめ、冗談めかして返した。

「なんで私達まで？！」

「やらないから」

3人はそんな軽口を交わしながらエレベーターに乗り込んだ。後ろ姿を見送りつつ、相澤は腕を組み直し、少しだけ眉間にシワを寄せた。

自室へ着くと、その中には嫌気がさす量の大量のダンボール
これを1つずつ開いて荷物を片付けていく

──────数時間後

「あれ、Aちゃん部屋終わったん？」

『うん、疲れたよ〜』

「今から紅茶を入れようとしてたんですの、ご一緒にいかがですか？」

『今から先生のとこ行かなきゃなんだ、ごめんね』

「そうでしたか…」

紅茶の箱を持った八百万の眉が八の字になっていた
1人制服に着替えたAは、手を振りリビングから離れる

「おーい、A！今日焼肉だらな、遅れんじゃねえよー」

「先食べちゃうぞ〜」

「焼肉！焼肉！」

『あ、デク買い出し係なんでしょ？』

「うん、そうだよ！」

『絶対ソーセージ買ってきて！』

焼肉はAにとっても大好物である。ずいっと前に身を乗り出しAは真剣な表情でデクに詰め寄った

ソーセージにかける思いは誰にも負けない

「う、ううううん！！分かった任せて！！」

「早く帰るんだぞ！」

『わかったって、鋭児郎』

そう返事した緑谷に満足したのか頷いて、靴を履き出ていった
そろそろ夕食時ということで焼肉のことで盛り上がりだしたリビングで休憩中の彼ら

神野の事件以降会うことも無く、久々の再会
そして共同生活の始まり
それぞれ思い思いに充実した生活を取り戻そうとしていた

穏やかな風が校舎の方から吹き抜ける。寮から校舎までは徒歩5分。その短い距離を歩きながら、Aは相澤が自分を呼び出した理由を考えていた。

『ここからだからね』