Let there be light 4【僕のヒーローアカデミア】 (ページ38)

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戦場から離れ無事地面に着地した緑谷達
すぐさま、爆豪とAの姿を探す

「かっちゃん！Aちゃん！」

地面を転がったようで砂まみれになったAは爆豪に抱きしめられながらも横たわった状況で咳をしている

「クソが…」

『ご……めんっゲホッ…』

なんとか2人も怪我が無いようで緑谷は安心したように見つめた

「とりあえずここも危険だ、街中へ避難しよう！」

飯田が全員に呼びかける
人通りが少ない場所、まだ遠くまでは離れていないため安心は出来ない。フラフラと力が入らない体を起き上がらせる

「A、平気か！？どうしたお前」

今までにない程に疲弊しているAを心配するように駆けつけた切島は肩をかそうと手を伸ばした時

「どけ」

爆豪の一言によって拒まれた
そして急に浮遊感を覚える

「死ぬ気で捕まっとけって言っただろうが。手掛けさせんな」

『ごめんって…』

爆豪の強引な言葉とは裏腹に、その腕の力強さに、かすかな安心感を覚えてしまう自分が嫌だった。
爆豪がAを横抱きにして、歩き始める
彼は無傷らしく、切島もハァ……とため息をついて後ろを歩いた

気づいた時にはAは疲弊しきって直ぐに眠ってしまった

「なぁ、爆豪何があった」

「変な薬打たれてやがった」

「薬だと！？大丈夫なのかそれは」

「とりあえず轟君達と合流して病院へ…！」

ゆらゆらと揺れるAの髪
彼女に一体何があったのか…それは爆豪にしかわからない
いつも傲慢で、心無い爆豪だったが、ここにたどり着くまでになんどもAを反射的に助けていた

そんな2人を切島は、深く聞くこともできずにいた

───その後

駅前にたどり着いた緑谷達
スクリーンに映されるニュースをただ見つめていた

ボロボロになったオールマイトの姿
それは見たこともないやせ細ったオールマイトだった

あれは誰だ……と市民達も声を漏らす
ざやめく街

【皆さん見えますでしょうか？オールマイトがしぼんでしまっています】

緑谷は絶望した
それでもオールマイトを応援する声が上がる

Aもまたその声に目を覚まし、霞む視界でスクリーンを見た

体に伝わる爆豪の震え

「「勝て/や！オールマイト〜！！！」」

その後も全国民の声がオールマイトに集まる
どれだけ慕われたヒーローなのだろうか

「さらばだワンフォーオール…」

【勝利！オールマイト！！勝利のスタンディングです】

立ち上がったオールマイトに街中が歓声を上げる中、Aは目を伏せた。その光景に胸が痛む理由を、彼女自身がまだ理解できていなかった

平和の象徴が今、今日消えた
そして、Aのターゲットが───