【文スト】転生したら最推しに依存された件［R］【太宰治】

第七話　赤面の威力 ページ8

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治くんは唇にしてくれると思っていたようだけれど、キスをしてくれと頼まれても唇にしてくれとは頼まれていないからこれも有りだろう。



正直ちょっとした悪戯のつもりだったんだけど、予想以上に治くんの反応が面白くてクスクスと笑みが溢れる。






「は、え、ちょっ……そ、そんなの有り！？」




しばらくしてようやく状況を理解した治くんが、火を吹くような勢いで顔を真っ赤にさせた。



耳までもが赤くなっていて、こんな治くんは初めて見たかもしれない。



どうやら相当私が唇にキスしてくれる事を期待していたようだ。




期待してしまっていた事が恥ずかしかったのか、それとも私に笑われた事が恥ずかしかったのか、治くんの顔は赤面状態で正直めちゃくちゃ可愛らしい。



赤面の威力は恐ろしいと今心底思った。本音を云えば今すぐ写真を撮って待受にしたい程だ。




それほどまでに可愛らしい治くんに庇護欲が湧いてきて、私は治くんの頭を優しく撫でた。


柔らかい髪質が心地好く手触りも良い。



思わず頬が緩みきって治くんへの愛しさが溢れそうな程に倍増する。




今の私の笑みはゆるゆるなんだろうと思っていると、何故か治くんが目を見開かせて固まっていた。


言葉を詰まらせながら顔を赤くしている治くんを疑問に思いながら見つめる。





「っ……Aって狡いよね」



急にそんな事を云ってきた治くんは、私を抱き寄せて首筋に顔を埋めた。


それが堪らなく可愛くて、私は自然と頭を優しく撫でて上げる。



そして満腹な程の癒しを貰った私は、また仕事を進める手を速めた。




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