第三十七話 降り注ぐ雨粒 ページ38
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映画館内だけでも人は凄かったけど、一階は比べ物にならないくらい沢山の人で溢れ返っている。
確かに一階は何でも揃っていた。
ドーナツ屋、パン屋、アイス屋、大きなスーパー、化粧品、服屋、玩具売り場、文房具屋、自転車屋、アクセサリーショップ等々。
広い敷地面積を持つ此処は家族連れや学生が殆どで、基本遠い所から来ている人も多いだろう。
ふと隣に居た治くんが思い出したように「ああ、そうだ」と声を洩らすと私の手を引いて歩き始めた。
それを不思議に思って首を傾げる。
「どうしたの?」
「ちょっとした買い物だよ」
そう云って微笑を浮かべた治くんの笑みは、何だかとても機嫌の良さげな笑みだった。
一体何を買うつもりなんだろうと疑問に思っていると、これまた斜め180度の品を視界に映す。
「………傘?」
黒と水色の混じった傘を手に持つ治くんに、私は思わず間抜けた声を洩らす。
いや本当、何で傘?
そんな疑問が無数に浮かぶものの、治くんはそれを買うとまた私の手を引いて歩き始めた。
エレベーターでのあのハグから脱力感がすっかり抜けてしまった治くんは、終始機嫌良さげな笑みを浮かべている。
機嫌を直してくれた事は嬉しいけれど、何とも云えない複雑な気持ちだ。
そんな事を思いながら外に出た私は、思わず驚いて目を見張った。
「……雨?」
ポツポツと真珠のように降り注ぐ雨粒を見つめ、私は間の抜けた声を出す。
そんな私の横で先程買った傘を差した治くんは、そのまま私の手を引き寄せた。
「行こっか」
指と指の隙間に指を通されて恋人繋ぎをされた私は、驚いたように治くんを見つめる。
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (11月10日 19時) (レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬月鏡(プロフ) - I am gotさん» コメントありがとうございます!神作だなんて…!!(泣)こんな作者の作品を好いて下さり本当に有難うございます!これからも頑張らせて頂きますね! (2019年7月21日 14時) (レス) id: 6aa236e388 (このIDを非表示/違反報告)
I am got(プロフ) - ヤバイ。神作。めっちゃ好きです!!続編楽しみにしてます!! (2019年7月21日 14時) (レス) id: dd6540e082 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬月鏡(プロフ) - 結月さん» コメントありがとうございます!沢山妄想しちゃって下さい!(笑)更新頑張ります! (2019年7月18日 10時) (レス) id: 6aa236e388 (このIDを非表示/違反報告)
結月(プロフ) - 今日も今日とて妄想させて頂いてます!更新待ってます (2019年7月18日 10時) (レス) id: 013547788b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水瀬月鏡 x他1人 | 作成日時:2019年7月14日 16時