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第二十七話 降り注ぐキス ページ28

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「ふふっ、治くん、大好きだよ」


「私の方がもっと好き」



柔らかな笑みを浮かべながら頬擦りをされる。


それに堪らない愛しさを感じていれば、治くんは急に顔を上げた。かと思えば唇にキスをされる。




不意討ちな事に驚く私を他所に、治くんは額、頬、瞼と色んな所にキスをしてきた。


それが擽ったくて笑みを溢してしまう私をじっと見つめ、治くんが云う。




「…A、可愛い」



私からすれば治くんの方がずっと可愛いんだけれど、でも矢っ張り好きな人に可愛いと云われるのはこの上なく嬉しい事に変わりはない。



とはいえ、このままだと治くんは止まらなくなって確実に私は襲われるだろう。


それは普通に困るし、第一此処は医務室だ。いつ誰が来るかなんて分かったものじゃない。



それに、確かに私は治くんが好きだけれど、そういう行為をするとなったら話は別だ。


まず治くんは16歳だし、元教師である私としても未成年とするのは物凄く抵抗があるのだ。


キスまでは許していても、付き合ってもいない一応幼なじみという関係としては絶対にそういう行為は私としても認められないものがある。






「治くん、そろそろ戻らないと」


「………ちぇっ」



あからさまに誤魔化した私に、治くんは唇を尖らせる。


それを見て矢っ張り私をその気にさせる心算だったのかと苦笑いが溢れた。



そんな所も可愛いとばかり思ってしまう私は、仕事の疲れが解されていくような気分になりながら治くんの頭を優しく撫でて上げた。



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第二十八話 映画鑑賞→←第二十六話 複雑な心配



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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (11月10日 19時) (レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬月鏡(プロフ) - I am gotさん» コメントありがとうございます!神作だなんて…!!(泣)こんな作者の作品を好いて下さり本当に有難うございます!これからも頑張らせて頂きますね! (2019年7月21日 14時) (レス) id: 6aa236e388 (このIDを非表示/違反報告)
I am got(プロフ) - ヤバイ。神作。めっちゃ好きです!!続編楽しみにしてます!! (2019年7月21日 14時) (レス) id: dd6540e082 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬月鏡(プロフ) - 結月さん» コメントありがとうございます!沢山妄想しちゃって下さい!(笑)更新頑張ります! (2019年7月18日 10時) (レス) id: 6aa236e388 (このIDを非表示/違反報告)
結月(プロフ) - 今日も今日とて妄想させて頂いてます!更新待ってます (2019年7月18日 10時) (レス) id: 013547788b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水瀬月鏡 x他1人 | 作成日時:2019年7月14日 16時

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