One day partner. 【SERVAMP】

#4 被害者と加害者 【綿貫桜哉】 ページ4

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コンセントの中に付けられた盗聴器。
ぬいぐるみの瞳の中には監視カメラ。

そして、ポストの中には私の名前の羅列が
載っている手紙と封筒の束。

無論、差出人は不明。



これは、立派なストーカー行為である。

誰かが、私の生活を盗み聞きし、覗いている。
これでは安心してお風呂にも、夜も眠れない。


ただ鳥肌がたって、気持ちが悪かった。


だから。



『桜哉くん、今日、うち泊まってくれない？』


「…は？なんで？」



彼氏に相談するのは、妥当あでろうか。



「ふーん…なるほどね。別にいいよ
しばらく泊まってやる」


『ほんと！？ありがとう！』


そう言って頭を撫でてくれる桜哉くんに
私は安心の気持ちでいっぱいになった。



こうして、私と桜哉くんの生活が始まる。




「そんで、具体的な被害はなんなの？」



そんな質問をされて、事の経緯を細かく話した。



「それじゃあ不安で眠れないよな」

『そうなの…』


「それに風呂にも入れない…
だから最近はずっと近くのか温泉に通ってたのか」


『…え？…うん』



この時、既におかしいなって思っていたのだ。
だって、私が温泉に通っていることなんて
話していなかったから。



「それに外食も増えて、たまに家にも帰って
来なくなったよな」


『な、なんで知ってるの？』



桜哉くんは、すました顔で
「当たり前だろ、彼氏だから」と言う。


変だな、って薄々感じていた。

だけどすぐにそれは、確信に変わる。




「彼氏だから、頼られたいのは当たり前だろ？」

『…え？』

「彼氏だから、お前のことを
全部知り尽くしたいのは当たり前だろ？」


『ちょ、ちょっと…』


「なあA、オレは今、とっても嬉しいよ」



桜哉くんが、急に笑顔になって
距離を詰めてきた。


それが、こわくて、おかしくて
後ろに後ずさるけど、ベッドに詰まって動けない



「Aがオレに嘘をつかずに、オレを頼ってくれて
オレは嬉しいよ。やっぱりAが好きだよ」


気付いたら、ガタリと体制が崩れて
ベッドの上で桜哉くんに押し倒されている。



「それやったの、全部オレなんだ。
そうすればAがオレに助けを求めると
思ったから。大当たりだったなぁ
あぁ、好きだ。好きだよA。
愛してる」



『い、いや…』


「いや？そんなわけないだろ？
だってお前はオレを頼ったんかだら。
なあ、好きって言ってくれよ。じゃないと…」


彼が目を細めて私を見下ろす。





「どうなるんだろうな」

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