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#1 一口、美味しかった【城田真昼】 ページ1

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「A、ちょっとお願いがあるんだけど…」



『え、なになに?』




夕方。
日中ずっとクロとゲームをしていた私は
疲れた体を起こして真昼を見る。


真昼の手には小さなお皿と箸が一膳握られていて
「あぁ、恒例のあれだな」と、すぐに理解した。



「味見、頼みたいんだけど」


『待ってました!!』



お腹の空いていた私は、真昼がそう言い終える前に
手を伸ばして皿を取ろうとする。


が。


ひょいっと上に上げられてしまって
虚しく片手が宙を切った。



『…え、なにー』


「…A、クロのこと、好きなのか?」


『はあ?』


急に弱々しくなった主夫の声が聞こえ
私は拍子抜けした声を漏らす。


『なんでよ』


「なんとなく、だよ」


『お腹空いたよ』


「答えろよ!」



真昼が眉を潜めたので、どうしたものかと
うーんと唸ってみる。


『その好きって、どんな好き?』


すると真昼は、ちょっと照れたように
目を逸らした。


「れ、恋愛的な…?」




『…普通に好きだけど、恋愛感情はないよ?』


「そ、うか。」

『ねえ!味見!』



答えたんだから、貰ってもいいだろう。
そう思ったのだが。



「A」


『もう!今度は何!』


私が声を荒らげて真昼を見上げると
真昼は箸で小さな鶏肉の唐揚げをつまんで
こちらに突き出した。


「ん。」


『ん、って、え?』


突然の事で、頭が回らない。
まさかあれか?これは、「あーん」ってやつか?



『ま、真昼さん…?』


「ほら、食いたいんだろ?
口開けろよ…!」


『なんでちょっと照れてんの!
真昼がやってるのに!』


「う、うるさい!!早くしろ!!」



やれやれ。なんだかんだで、私は真昼が好きだなぁ
って思うよ。



ほんと。




『はいはい、
…あーん…っ
んん〜おいし_______________』








何か、別の物が唇に、口の中に、広がった気がして
目を開く。


目の前には、その、大好きな彼がいて


「ごちそーさま」



そう言ってそそくさとキッチンに消えていった。


『ま、ひる…』





私、見ちゃったんだから。

真っ赤な顔でそんなかっこいい事言っても
ぜんっぜん、かっこよくないし。





『か、かっこよくなんて…ないもん!
ばぁーか!!!!!』






でも


そんな真昼も、さっきのちゅーも、

すごく、好きだな。



.

#2 Hello sweet 【クロ】→



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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - アオリ†ホタルさん» ヲゥェンバォンガァアまじですかもうほんと好きですありがとうございます……やっぱり刺激の強いものを好む方が多いようですね。まあ、夢小説なんてそういうものを求めるような場所ですからね……!!めっさ頑張らせていただきますううう (2019年2月1日 6時) (レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
アオリ†ホタル - 個人的にはリリイのが一番好きですねー!!もちろん皆好きですが!  えりんぎ※息を吸う さんの書かれる物語はいつも楽しく読ませていただいてます!これからも頑張ってください! (2019年2月1日 0時) (レス) id: f7b53a9dbf (このIDを非表示/違反報告)
はにかん - いつものも好きですけど、イチャイチャも好きです…(<●><●>) (2019年1月31日 21時) (レス) id: d702d64ecc (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎ※息を吸う(プロフ) - はにかんさん» ( 'ω')ふぁっ やはり私の作品にはいちゃいちゃが足りなかったのだな……ありがとうございますう これからもっとハアハアして頂こう…… (2019年1月31日 7時) (レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
はにかん - ちょ、ちょっと待って!!ちょっと待ってください!!えりんぎさん!! …スゥ…ハァ……みんな可愛くないですか?私、可愛い過ぎて死にそうです…!! (2019年1月31日 0時) (レス) id: d702d64ecc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えりんぎ※息を吸う | 作成日時:2019年1月30日 20時

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