002 ページ3
ガッカリだ。
やはり彼も、そういう下心的なものがあったのか。
最初出会った時から、なんか怪しいと思ったのだ。
なんて、今になって言っても説得力がないかもしれないけど。
「ちょっとだけ話したいことがあんねん。あっ、別に、告白とかそういうのじゃないから。」
「はぁ」
「その返事、疑っとるやろ」
「はぁ」
そもそも信じてなかったから疑ってはなのだが…。
「あんま大声で話すような内容でもないから、入れてくれるとありがたいな。」
「桐山さんのお宅じゃだめなんですか?」
「え?うち?Aちゃん大胆なこと言うなぁ。」
「大胆は嫌いです。絶対失敗するので。」
「あひゃひゃ、おもろいことも言うんやな。いや、考えてみて?もし仮に、俺がAちゃんに変な気を起こして、襲ってきたとするやん。」
「その変な気が起こる前にトドメをさしますが」
「恐ろしっ。まぁええわ。Aちゃんになら殺されてもええよ。あっ、今俺かっこいいこと言うてもうた!」
「気持ち悪さに拍車がかかりましたけど。」
「その言い方だと、今まで気持ち悪いと思ってたみたいやん。」
「ぶっちゃけ、あなたが引っ越してきた日から何となく気持ち悪いと思ってましたね、先に謝っときます。何となくじゃなくてやっぱり気持ち悪かったです。」
「辛辣!謝るとこそこじゃないし!」
あれ?私は何をしているのだろう。こうして玄関先で、桐山さんにぶっちゃけ話をしてしまっているこの状況はなんだ?
桐山さんの前だと、何でもペラペラと喋らされてしまうようだ。彼は話術のテクニックまでも気持ち悪い。
「その時に、俺の部屋、つまり俺のテリトリーで話なんかしてたら絶対Aちゃんにとっては不利やと思うけど?」
「とにかく、どんな話だろうと私には無関係ですので。早急にお帰りください。」
「じゃあ何かしら関係を作ればええんやな?」
「この流れでそんなセリフ言うと語弊がありますね。」
「実は、小学生の男の子が迷子になってん。」
「…え」
「しかも3日も見つかってないらしいねん」
「あ、え?」
「警察も御家族の方もずっと探してるらしいねんけど、全然見つからへんのやって」
「あ、あの、は?」
「更に!このことを知ってるのは今現在警察と俺らと俺の知り合いとその知り合いの知り合いだけ!」
「……」
「あ〜結局外で言ってもうたやんか〜誰も聞いてへんよな〜?」
話についていけない私をよそに、彼は周りをキョロキョロと見渡した。
阿呆か?こいつは。
続く お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←のぞむラディッシュ
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぷらまい | 作成日時:2020年5月24日 1時