38話：驚愕ルージング！ ページ40
貴方「な…ない！！ない！嘘！？天馬くんに買ってもらったゴムがない…！確かに持ってたはずなのに…。」
温泉で外し、それを持ち出したまでは覚えているのだが、どこで失くしたのか皆目見当もつかない。
貴方「初日からヘコむ…。白恋中と新雲学園に挨拶しに行ってから、探しに行こう…。」
その前に、木戸川清修へノートを回収しに行かないと…。
気分が下がって何もしたくない。
貴方「せっかく天馬くんが買ってくれたのに…。失くしたなんて言ったら…。」
悪い想像ばかりしてしまう。とにかく明日の準備もしないとだし、落ち込んでいる暇なんてないのに。
すると、部屋の戸がコンコンと音を立てた。
貴方「はい…？」
貴志部「ごめんね。そろそろ戻ってきたかと思って。ノートを届けに来たんだ。」
貴方「あ…！ありがとう。今から取りに行こうとしてたの。わざわざごめんね。それにさっきも…。」
貴志部「全然。ああ、でもアイツら寂しがってたから、また遊びに来てよ。」
貴方「う、うん…！それじゃ、私これから他のチームも見に行くから…また明日ね。」
貴志部「ああ、お休み。」
貴志部くんは親切だなぁ…。そんなことを考えながら、徐に受け取ったノートを開くと、私の書き込みじゃないものが幾つも出てきた。
貴方「え…これは……！」
私の知らない情報、謝った情報の添削、
ドリンクの濃さの分類や、木戸川清修のみんなの簡単な寄せ書きがあった。「これからよろしく」や「頼りにしてる！」と書かれていた。
貴方「みんな…。」
ノートを大切に抱えて、私は白恋中の大部屋へと歩みを始めた。そうだ、みんなの為に…今は私に出来ることを精一杯しよう。
白恋中の部屋の戸をノックする。中から「どうぞー」という声がいくつも聞こえてきて、木戸川清修とは違った賑やかさだった。
貴方「し…失礼します。私、雷門中2年の藤咲Aと言います。これから2週間、マネージャーとして皆さんをサポートしていくので、どうぞよろしくお願いします！」
ガバッと頭を下げると、「あははっ」という笑い声とともに「顔上げてよー」と言われる。
部屋に入れてもらうと、雪村さんが私を睨みつける。わ、分かってた反応だけに結構傷つくなぁ…。雪村さんの隣には、吹雪さんがいて、恐らく楽しみを奪われたとかそういう感じだろうか。
吹雪「どうしたんだい？何か用があった？」
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作者名：暁兔 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年2月18日 23時
