９２０話：意思 ページ5
貴方「う…ん……。」
頭が少し痛む。重い身体を起こそうとすると、何かに阻害された。
土蜘蛛「ん…。動くな……。」
貴方「つ…土蜘蛛……？なんで…。……あっ…！」
そう言えば、昨日土蜘蛛の部屋へ来て
私そのまま…眠ってしまったんじゃ。
土蜘蛛「昨夜は、随分と善がっていたな。」
貴方「なっ…！何言ってるの…！？」
土蜘蛛「覚えておらんなら、次は覚えておけるようにするまでだ。」
貴方「っ……ありがとうね、土蜘蛛…。」
土蜘蛛「……？なんのことだ。」
貴方「カルマのこと、忘れさせようとしてくれて…。」
土蜘蛛「！……結局、吾輩も彼奴と同じだったがな。」
貴方「私、カルマと話してみるよ。……彼について、何も知らないから…。」
土蜘蛛「A…。昨晩は無理をさせてすまなかった。もう、お主の許し無しに触れないと誓う。」
貴方「……うん。」
早朝、土蜘蛛の部屋を出て
誰もいない静かな廊下を歩いた。
少し冷えるな…。足元が寒い。
貴方「……」
唇に、首筋に……土蜘蛛の手やキスの感覚が残る。
心臓がドキドキと音を立てて、身体が火照る。
口付けした後は、何もしないまま
お互い眠っただけ。
土蜘蛛と寄り添って眠ったのなんて、いつぶりだろう。
ふと、足取りを止めた時だった。
後ろから声をかけられる。
ああ……ちょうど話したかった彼の声だ。
カルマ「Aさん。おはよう。早起きなんだね。」
貴方「カルマ…。おはよう。良かった、カルマと話したいと思っていたの。」
カルマ「僕と？……ふふ、何の話？こんなに、他の男の匂いプンプンさせてさぁ…？」
貴方「え…？…いっ…！？」
カルマは私の身体を壁へと押し付けた。
背中の傷がその衝撃で痛む。
思わず顔を歪めると、カルマの細くて長い指が
私の両頬を掴んだ。
カルマ「苦しそうな顔も素敵だね。……どうしたの、どこか痛むの…？ああ……そういえば、背中を怪我していたんだっけ。見せてみなよ、僕が治療してあげるからさ。」
貴方「！っ……ダメ…！」
カルマの手を払い除けると、
カルマは少し驚きつつ、声を上げて笑った。
カルマ「君…、抵抗しようと思えばできるんだね。この前は縛っていたから言いなりだったけど…。今回もそうした方がいいかな？」
貴方「いや…っ…！」
カルマ「君の身体を奪うのに、君の許しなんていらないんだよ…？ねぇ、僕が欲しいでしょ……？」
貴方「っ…」
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ぐりーん(プロフ) - 各々の覚悟が見て取れて感情移入せずにはいられないです...🥲続編ありがとうございます🙇🏻♀️ (2023年2月4日 17時) (
レス) @page26 id: ebeccca8db (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - 続きが、出てくれて嬉しいです！ (2022年12月22日 8時) (レス) @page18 id: 4b14f6b623 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁兔 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年12月19日 14時
