９３９話：躊躇い ページ25
キュウビ「そこで、質問だけど。」
貴方「え…？」
キュウビ「女郎蜘蛛はもう、きっと酒呑童子の良い駒にされているだろう。これが正しいなら、キミ以外のここにいる全員が、酒呑童子の血を飲まされると支配下に下ることになる。」
貴方「！」
キュウビ「そうなれば、キミは僕達相手に1人で戦わなくてはならない。もちろん、エンマ大王様や影オロチ達は大丈夫だろうけど。鬼の僕達はそのリスクがある。キミは、1人でも戦えるかい？」
貴方「……私は…。」
どうだろう。ここに居るみんなが、我を忘れ
私を忘れ…敵となってしまったら。
私は耐えられるだろうか。
そんなみんなと、戦うことは………できる？
キュウビ「質問だなんて、生ぬるかったね…。言い方を替えるよ。戦え。躊躇わずに、僕達を始末するんだよ。」
貴方「キュウビ…。」
キュウビ「鬼が助かる方法なんてない。いくら研究しても、どれだけ地下牢の鬼を犠牲にしても、それだけはわからない。簡単に戻れる方法なんてないのかもしれない。だから、僕達が狂ってしまったら、キミがトドメをさしてくれないかい。」
貴方「そんな事言われたって…！」
私は非力だ。今までみんなと過ごしてきた過去がなかったとしても、力技で私が勝てる見込みなんてない。
それをどうして、キュウビはわかっているはずなのに
こんなことを言うの…？
貴方「私がみんなを守るから…！酒呑童子に操られないように…酒呑童子の血を飲まされないように守るから…。だから……そんなこと…。」
私がみんなに手を下せるはずない。
キュウビ「できないだろう…？キミじゃ、何も守れないだろう！？」
貴方「！」
キュウビ「キミはただの女の子で、本当はそれだけで十分だ…。それでもね…、この世界は残酷で、誰かが手を汚さないと上手く回らない。手から零れ落ちるものが多い。守りたいって思うだけじゃ、居場所も大切なヒトも全部失ってしまうんだよ。キミに何かを守れるような力はない。だから、僕達のことは………どうか見放して欲しい。」
貴方「キュウビ…。」
キュウビ「もちろん、僕達も細心の注意は払う。…これは、万が一の話だからね。その時は頼むよ。」
貴方「………」
返事ができない。そんなこと、考えたくもない。
キュウビの言うように、私に力はない。
きっとその最悪の時が訪れた時に
私が迷わないように…キュウビは言ってくれたんだ。
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ぐりーん(プロフ) - 各々の覚悟が見て取れて感情移入せずにはいられないです...🥲続編ありがとうございます🙇🏻♀️ (2023年2月4日 17時) (
レス) @page26 id: ebeccca8db (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - 続きが、出てくれて嬉しいです！ (2022年12月22日 8時) (レス) @page18 id: 4b14f6b623 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁兔 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年12月19日 14時
