９３６話：助ける ページ22
カルマの鬼になるという話を聞いた後に訪ねてきた大ガマから、更に衝撃的な話を聞かされた。
大ガマ「…オレと土蜘蛛と、カルラと大やもりでお前が二度目に血を飲まされた日に行ってきた。お前が大やもりに花を保管するように伝えていたおかげで、お前が起きなかった間に過去へ飛べた。助かった。」
貴方「うん…それで女郎蜘蛛は……。」
大ガマ「簡潔に言うと、予想通り…ということだ。」
貴方「そ…んな……。」
女郎蜘蛛が、酒呑童子の味方だったということ？
今まで、私達に協力していたのは偵察だったの…？
大ガマ「あの洞窟の外に張り込んで、お前達の会話を聞いた…。女郎蜘蛛の…独り言も。」
貴方「独り言…？」
大ガマ「ああ…。『本当はこんなことはしたくない。だから、半分だけ飲ませる。これは血薬じゃなくて、酒呑童子の血そのものだから…。これを全て飲むと、Aは酒呑童子に操られる可能性が高くなる。』ってな。」
貴方「じゃあ…あの時女郎蜘蛛が鬼化していたのは、私に飲ませるはずの血を半分自分で飲んだから…。」
大ガマ「お前が今操られずに、変に鬼化の時間だけが伸びるようになったのは、これが原因だろうな。女郎蜘蛛は恐らく、それを酒呑童子に気付かれた…。今頃、何されてるんだか。」
貴方「そんな…！！尚更早く女郎蜘蛛を捜さないと…！」
カルマ「ま、待ってよAさん！仮に酒呑童子の命令で女郎蜘蛛さんが動いたとしても、彼はれっきとした裏切り者でしょう！？何をされたって、彼の責任なんじゃ…。」
大ガマ「…カルマの言うことは最もだ。オレも、アイツが酒呑童子にどんな仕打ちをされたって、仕方が無いと思う。ただ、アイツは…オレ達の仲間でもあった。本当にAに仇なすつもりなら、全部血を飲ませて自分は助かろうとするはずだ。そうしなかったってことは、アイツは完全にオレ達を裏切ったわけじゃないんだろう。」
貴方「……酒呑童子も馬鹿じゃない。女郎蜘蛛を再起不能にはしない。きっと、もっと血を与えて強くして、自分の支配下に置くんだと思う…。そうなれば、もう私達のことなんて…。」
大ガマ「判別もつかず、襲ってくるだろうな。…はは……厄介なことになった。」
カルマ「…でも、彼を捜し出して元に戻すしか………手はないでしょう。」
貴方「そうだよ…。私は…女郎蜘蛛に助けて貰った。何度も何度も、彼は傷付いてまで…。それに報いるなら、今しかない。」
助けに行く。私の何を引き換えにしても。
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ぐりーん(プロフ) - 各々の覚悟が見て取れて感情移入せずにはいられないです...🥲続編ありがとうございます🙇🏻♀️ (2023年2月4日 17時) (
レス) @page26 id: ebeccca8db (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - 続きが、出てくれて嬉しいです！ (2022年12月22日 8時) (レス) @page18 id: 4b14f6b623 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁兔 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年12月19日 14時
