918話:嫉妬心 ページ3
貴方「土蜘蛛から言っておいて…。」
土蜘蛛「……すまぬ。お主に触れることが、最近恐ろしくなってな…。」
貴方「え……?」
土蜘蛛「ああ、いや…。お主が恐ろしいのではなく…。自制が利かぬ様になる吾輩に、畏怖の念が…。」
貴方「……私のせい…だよね。」
土蜘蛛「…なに?」
私がみんなの間をフラフラしているから…。
貴方「ごめん、私部屋に戻るよ…。これ以上、土蜘蛛にもみんなにも不誠実でいたくない……。」
土蜘蛛「A…!」
貴方「わっ!?」
突然土蜘蛛が立ち上がり、腕を引っ張られる。
体勢を崩すと、土蜘蛛とそのままベッドへもつれ込んだ。
土蜘蛛の上に乗ってしまっている。
貴方「ご、ごめんなさい…!驚いて……。」
土蜘蛛「吾輩が手を引いたのだ。気にするな。」
貴方「すぐ退くから……手を放して土蜘蛛。」
土蜘蛛「……正直…。」
貴方「ん…?」
土蜘蛛「正直に言うと…、お主に拒まれたらどうしようかと、不安であった。だから、暫くこのままで居てくれ。」
貴方「……私…もうどうしたらいいか、分からないよ…。」
土蜘蛛「A…。」
土蜘蛛の上から退いて、ベッドへ座る。
私の本心、土蜘蛛になら話せる気がする。
貴方「みんなが私を好いてくれているように、私もみんなが好き…。この気持ちに上も下もない…。だから、誰にも応えられないって…。でも、私がこんなだから……カルマは…。」
手が震える。怖かったはずなのに、
嬉しさや気持ち良さもあって、
自分でもどうしたらいいか分からなかった。
下手に拒んで傷つけたらどうしよう。
でも、受け入れてしまえば……。
貴方「私の中にもあった欲が…、カルマに暴かれそうになって…。自分でも驚いて……。自分が自分じゃないみたいだったの…。私、口では嫌だって言いながら、本心では…っ……みんなの行為を…求めてて…。」
もっと名前を呼んで欲しい。触れて、抱き締めて……それから……その先も。そんなことを望んでしまっている。
人間の時に子を成した日だって、嫌悪感しかなかったのに。
貴方「ごめんなさい……。はしたないって、いけないことだって分かってる…。」
土蜘蛛「A、落ち着け。」
貴方「!……土蜘蛛…。」
土蜘蛛「お主の気持ちは、よく分かる…。だから吾輩達は、あまり手を出さぬよう心掛けていたんだがな…。」
土蜘蛛の手が、私の首筋に触れた。
土蜘蛛「この様なものを見てしまうと……どうも、嫉妬心に身を焦がす。」
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ぐりーん(プロフ) - 各々の覚悟が見て取れて感情移入せずにはいられないです...🥲続編ありがとうございます🙇🏻♀️ (2023年2月4日 17時) (レス) @page26 id: ebeccca8db (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - 続きが、出てくれて嬉しいです! (2022年12月22日 8時) (レス) @page18 id: 4b14f6b623 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暁兔 | 作者ホームページ:
作成日時:2022年12月19日 14時