９３２話：これから ページ18
烏天狗「……A、落ち着いて。大丈夫だよ、僕の血を吸って。」
貴方「烏……天狗…。」
烏天狗「うん…？」
貴方「カ……ルマ…見て…る……か…ら…。」
カルマにまだ鬼のこと話せていないのに、
いきなりこんなもの見せたら、
混乱してしまうかもしれない…。
烏天狗に伝えたいのに、上手く声が出ない……。
カルマ「何……、なんなのコレ…。」
烏天狗「鬼の吸血衝動だよ。純血の鬼以外はみんな起こす…。治すには血を吸うか…この衝動に耐えるだけ。」
カルマ「ひっ……。」
烏天狗「見ればわかるでしょう。激痛で立っていられない。喉が渇いて仕方がない。自分が化け物だって認めざるを得ない…。Aは鬼になって何百年も経つ。もう、軽症ではないんだ。」
カルマ「血を与えれば……大丈夫なんだよね…？」
烏天狗「一時的には…ね。まぁ、僕の血じゃ…殆ど役に立たないけど。」
カルマ「え…」
烏天狗「ほらA。早く飲んで。そうじゃないと、君がもたない。」
貴方「う……ん…。」
烏天狗の首筋に口を寄せる。
尖った歯を突き立てた後は、もうよく覚えていない。
甘い香りと味が広がって、夢中で血を飲んだような…。
烏天狗「うっ……。」
カルマ「烏天狗…！！」
烏天狗「はは……。ダメだね…。自分の血の匂いで酔うなんて…。僕も血が飲みたくなってきた…。」
カルマ「ま、まさか君も…！？」
烏天狗「そうだよ…。はぁ…。ごめん、ちょっとAのこと支えてて…。頭が痛い…。」
カルマ「う、うん…。」
烏天狗「どう……。鬼と戦うために鬼になった、可哀想な妖怪たちの末路は。」
カルマ「可哀想って…。こんな事しなくたって、鬼は倒せるんじゃ…！」
烏天狗「下級の鬼ならね…。鬼の長や、その鬼から直接血を分け与えられた鬼たちに、僕達は何度も負けた…。」
カルマ「……」
烏天狗「カルマ…。君も覚悟しておいて。」
カルマ「え…？」
烏天狗「大切なものを…Aを守るためには、鬼になることも厭わない様になる…。みんな、覚悟を決めたんだ…。……カルラも。」
カルマ「……でも、カルラはAに飲まされて…。」
烏天狗「なんだ……そんなことは知ってるんだ…。でも、あの状況でカルラが血薬を飲むかどうかの決断をしようとも、この結末は変わってなかったはずだよ…。ねぇ…カルマ。僕達は、この先どうなるんだろうね…。」
カルマ「……」
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ぐりーん(プロフ) - 各々の覚悟が見て取れて感情移入せずにはいられないです...🥲続編ありがとうございます🙇🏻♀️ (2023年2月4日 17時) (
レス) @page26 id: ebeccca8db (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - 続きが、出てくれて嬉しいです！ (2022年12月22日 8時) (レス) @page18 id: 4b14f6b623 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁兔 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年12月19日 14時
