弐拾陸話 ページ27
「ちょっとちょっと!覇気使いが前半の海にいたらイカンでしょうよォ…」
『何処に居ようと私の勝手じゃない』
「このネーチャン屁理屈ばっかだな!ちゃんと躾けといてよ麦わらァ」
「?おう!」
「返事すなァ!」
正攻法では長引くと悟ったのか、青キジは再び全身を氷化させ、姿を消した。
そしてまるで溶けた氷のように滑ってAの横をすり抜け、ロビンを抱きしめるような形をとった。
猛烈な冷気が驚愕に目を見開くロビンを凍らせ、余波が地面を伝いAの右脚までもその場に固めてしまった。
「うわぁぁあ!ロビン〜〜!!!」
一刻も早く解凍するためにウソップとチョッパーが連携してロビンを船に運ぶ。
Aは脚と地面とをくっ付けている氷を短刀の柄で無理矢理砕き、油断なく青キジを見つめる。
ゾロとサンジはその脇で戦闘態勢に入った。
「クソっ、ロビンちゃん…!!」
「…!」
「待った!お前ら!!お前らは手を出すな。この勝負一騎討ちでやりてェ!!」
飛びかかりそうなゾロとサンジを引き止め、答えあぐねる三人の代わりに青キジが応えた。
「構わねぇが連行する船がねェんで…殺していくぞ」
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メリー号が停泊している岸辺に引き返したゾロ・サンジ・ナミ・A。
ナミはチョッパーの補佐をするために船内へ入っていき、ゾロとサンジは凍った手足を溶かすために海へ飛び込んだ。
本来なら人肌程度のぬるま湯で手早く温めなくてはならないが、シャワー室はロビンで手一杯。
しかし比較的夏島に近いこの島の水温なら解凍に適しているだろう、とのチョッパーの判断であった。
問題はAである。
Aは足先から膝上まで氷が到達していた為、海へ入っても自力で泳げないし、さてどうしたものかと思案していた彼女にサンジが声を掛けた。
「Aちゃん!!早く来ねェと凍傷になっちまうぜ!?
あ、飛び込むのが怖いんならおれが受け止めてあげるからねェ〜〜〜♡♡」
全くもって怖いというわけではないのだが、対するAも崖下に向かって問いかけた。
『本当かーい?眉毛くーん私本気にしてしまうよー』
面倒になったAはサンジの返事を聞く前にぴょいっと岸から飛び降りた。
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まどろみマフィア(プロフ) - ぽ、ぽぽぽぽぽポートマフィア?!なんですと?!ギュフフィンフィン(ポトマが出てきて歓喜中の中也推し) (1月25日 0時) (レス) @page37 id: 2cd01fe314 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翠 | 作成日時:2022年11月7日 10時