【ONEPIECE】仮初の海を今日も漂う。 (ページ14)

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拾参話ページ14

｢何やってんだてめぇは!!アホか!!｣

『はぁ…やっぱ出場しなければ善かったかな…』

Aはゲーム開始地点のセンターラインで事の成り行きを見守っていた。確かに借りを返すために出場したのだが、サンジとゾロの組合せが相性最悪過ぎてなんとなくやる気を失っていたのも事実である。

未だビックバンの腕でつるつると身動き取れないでいるサンジを、ビックバンは引っ掴んでこちら側のリングへぶん投げた。

｢━━速攻ゥーーーーー!!｣

｢さァグロッキーモンスターズ、｢お決まりの｣パターンが始まるよっ!!ボールマン・サンジを吹き飛ばしたビックバン!!
いいのかな、｢麦わらチーム｣手も足も出ないで終わっちゃうよ!?!?｣

｢させるかよ…!!｣

落下地点に回り込むのはハンバーグとゾロ。
しかし既に落下地点に来ていたピクルスが先手を取りゾロを大きく弾き飛ばした。

｢ふん、"お掃除タックル"!!｣

｢ぐあァッ…！？｣

そのままピクルスは自陣に入り込み、ハンバーグからサンジを受け取ると、"スピニングタックル"で取り返しに来たゾロごと空中高くへ吹き飛ばす。

ただ静観している積もりだったが、これは拙い事態になったと胸中で独り言ちる。

『一寸(ちょっと)〜、しっかりしてくれ給えよ』

｢テメェも働いてから物言えッ…!!｣

『ええ、私の役目は人数合わせだよ？おっと危ない』

Aは外套をひらひら揺らめかせて舞うように攻撃を避けている。

こうしている間にも、攻撃の手は止まない。後方からラインを押し上げるビックバンがハンバーグをレシーブすることで、宙に飛んだままのサンジをキャッチ。
このままでは麦わらチームのゴールへ迫る勢いである。

｢敵陣上空、ハンバーグ!!サンジを捉えた!!これはリングが射程圏内〜〜〜!!!!｣

｢決まるぞ!!ハンバーガーダンクだァ〜〜!!｣

｢んぎゃァァ!!何とかしろゾロサンジィ〜!!!!｣

｢言われなくても…ゴールなんかさせるかァ!!｣

ゾロはピクルスの身体を掴むと、鍛え上げた腕力だけで思いっ切り宙へ投げ飛ばした。

｢ゾロォォ!!!!｣

『なァんだ、やるじゃないか毬藻頭くん。私も借りの分だけは働こうかなァ』