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♪。.:*・゜
これは親友として探りを入れておかないと!
「君もその一人だ?」
「はい、今でも憧れの女性です。
あ、先生としてですよ?」
わーぉ、即答。
なかなか手強そう。
そりゃうちの長兄の方が男らしくて頼り甲斐があると思うけど!
自分が女性ならこの甘いマスクと甘い声にころっといってしまうかもしれない。
「へぇ、ますますお会いしてみたいな!」
「月曜日の朝ならいらっしゃると思います。」
キラキラスマイルをお見舞いしても、爽やかスマイルで切り返される。
「今度来てみようかな?」
「ぜひ!」
ユノ君だっけ。
‥喰えない男だな。
無意識なのか憧れの“女性”だと言っていた。
お代を手渡しながらも頭の中では行けるかな、ともう来週のことを考えていた。
だから、気づかなかったんだ。
その言葉には続きがあったことに。
彼が悲しそうに微笑んでいたことに。
「そしたら分かりますよ、
二人の間には誰も入れないってね。」
***
月曜日、ユノ君の助言どおりにカフェへやって来た。
キョロキョロと店内を見渡せば、テーブル席はご老人たちで満席。
我らが長兄は忙しなくキッチンとテーブルを行き来している。
噂のヌナはまだのようだった。
(ギョンスから9時頃じゃないかって聞いたんだけどな)
とりあえず横長のL字カウンターの
ここ →└─ に座った。
「お、ジュンミョン。来てたのか。」
「うん、ギョンスから美味しかったって聞いてさ。」
「サンキュー。blendでいいの?」
「うん、任せるよ。」
「はいよ、ちょっと待っててね。」
はーい、と返事して新聞を開いた。
カウンターに居ると、コーヒーの薫りがよく分かる。
「お待たせしました、
M's blendでモーニングです。」
「ありがとう。」
ゆっくり召し上がれ、との言葉に頷いてコーヒーカップに口をつけた。
「うまい!」
次のコーヒーを淹れながらミンソクが嬉しそうに笑った。
テーブルのお客が順に帰っていくと、店内に静けさが戻ってくる。
(あ、紅茶の匂い‥)
ふと新聞から顔を上げると、どこから出したのかティープレスでミンソクは紅茶を淹れていた。
「それは彼女さんに?」
「あぁ、猫舌で濃いのが好きだからさ。」
花開いたような笑顔にうわぁ‥とこちらが赤面してしまう。
しかも“彼女”を否定しなかった。
それで自分も確信する。
「あ、来た。」
ミンソクの目がドアに行き、自分も視線だけ向ければ、カラコロと引き戸が開けられた。
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作者名:ageha | 作成日時:2019年1月13日 1時