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ポートマフィア首領執務室。
そこに奇妙な客が招かれていた。
拘束具で手足の自由を奪われ、更に異能の亜空間が取り囲むように展開されている人物。
『羊の王』中原中也
それがポートマフィアに招かれた客の名だ。
肌を刺すような緊張感の中、入口の扉が開いた。
「どーも、お邪魔します…おや」
「まーす、森ただいまだ」
「やあ太宰君に修治君、待ってたよ…修治君?頼んでた物を渡してもらえるかな?」
入ってくるなり白い兎毛でできた蘭堂の耳当てを触ろうと精一杯背伸びをしている修治に声をかける。
が、当の本人は首をかしげるばかりでよく分かっていない様子だった。
「なんだ?それ?俺、治のけがなおしてたからわすれた」
「うーん…鳥頭……黒くて、持つとちょっと重くて、ゴツゴツしてる釦を押すと声が聞こえたりする物だよ」
「……む、んー?ん………あ、これか」
目を瞑り、呻き声を発し乍ら長考したあと、ポンチョのような服のポケットから通信機を取り出して森に見せる。
「それだよ。ありがとう、修治君。…さてと、はいそのへんで」
手を叩き、15歳の少年達の言い合いを止める。
そんな中、再び耳当てに興味を移した修治は寒さに震える蘭堂に屈んでもらい、兎毛のふわふわを堪能していた。
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ロト - よみさん» コメントありがとうございます。面白いと言っていただけてとても光栄です。続きが気になる作品だったなんて本当に嬉しい誉め言葉です。ありがとうございます! (2020年1月7日 13時) (レス) id: 84710b8cd8 (このIDを非表示/違反報告)
よみ - 受験頑張って下さいね。とても、面白くて、続きが気になる作品だと思っているので、早く二月になれ!っと祈りながら、更新お待ちしております。 (2020年1月6日 17時) (レス) id: 587f0ad974 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロト | 作成日時:2019年8月1日 18時