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暖かい診察室のような部屋に、寝ている者を起こさないよう、出来るだけ声を小さくした会話が行われていた。


医者のような格好の男、森鴎外がポートマフィア先代首領が復活したという噂話を調査して欲しい、と瓶で薬を混ぜていた少年、太宰治に頼んでいるという内容の会話だ。


普通の医者と少年なら、このような会話はされないだろう。


ポートマフィアの『血の暴政』

たった一年前まで続いていたその暴走は人々の記憶に新しく、それは恐怖の塊でしかない。


ならば答えは一つ

この部屋にいる人間が、誰一人として表社会で生きるものではないと云うことだ。


「……薬。約束だよ。二つだからね。絶対だからね」


「これが君の初仕事だ。マフィアにようこそ。……それにしても、二つ?一つではなくて?」


「二つにしないと、僕が怒られる。
………ところで、さっき云ってた……僕に似た人を知ってるって、誰のこと?」


森が微笑み、云う。

その目には光など無く、ただ淡々と事実を伝える笑みだった。


「私だよ。
…太宰君、何故君は死にたい?」


その言葉に太宰は、少し修治に目を向けてから云った。


「僕こそ訊きたいね。生きるなんて行為に何か価値があると、本気で思ってるの?」

あどけないただの少年のような表情で云う太宰の問いは、空気に溶けて、消えた。


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_____



「………これは……」


太宰が出ていった数刻後、ちゃんと情報を得られているか心配した森は、窓やカルテ、それから未だに眠っている少年を見てから太宰に電話を掛け、報告を訊いていた。


しかし、何か大きな音が聞こえた瞬間、その電話も途切れてしまった。


「……ふむ………『ギルハルト・セキュリテヰ・サァビス』…『高麸髻戞帖帖槌檗◆





「ひつじだな。」




ふぁあ、と欠伸をし乍ら起き上がるその少年は、少し高い声で森の言葉の先を云った


「おや修治君、おはよう。よく眠っていたね」


「ああ、そうだな。…よく、寝た。ところで森、治はどこだ?」


「太宰君ならすり鉢街だよ。……えっと、川の向こうにある窪んだ所にある街で分かる?」


一瞬、首をかしげていた修治にそう云い直すと分かったようで、ポン、と手を打つ動作をして


「……ああ、ナナちゃんが居る所か」


と云った。


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ロト - よみさん» コメントありがとうございます。面白いと言っていただけてとても光栄です。続きが気になる作品だったなんて本当に嬉しい誉め言葉です。ありがとうございます! (1月7日 13時) (レス) id: 84710b8cd8 (このIDを非表示/違反報告)
よみ - 受験頑張って下さいね。とても、面白くて、続きが気になる作品だと思っているので、早く二月になれ!っと祈りながら、更新お待ちしております。 (1月6日 17時) (レス) id: 587f0ad974 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ロト | 作成日時:2019年8月1日 18時

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