油揚げ ページ16
Aside
A「はい、できたで〜」
油揚げを皿に盛り付けてテーブルの真ん中に置いた。
私の声の後、ボンという音でしっぽと耳を生やした治が現れた。
治「Aよお俺の言いたいことわかったなぁ
今日ずっと人間の姿やったし疲れててん」
A「なんとなくそうかなって思ってた」
治「キツネの俺見てかわいーってずっと思っとったやろ、顔でバレバレ」
A「うっ…だって、めっちゃ可愛かったんやもん」
あんなしっぽフリフリしてつぶらな瞳でこっちを見られたら、本当にたまらなくなる。
皆さんもぜひ体験して知って欲しい。
治「キツネの俺ばっかり可愛い可愛いって…
人間の俺にも言ってや」
そう言いながら油揚げで振り回していたしっぽをしゅんとさせる。
A「そうゆうしっぽは可愛いと思うわ」
治「しっぽだけ？」
図体でかいくせに上目遣いが上手い。
A「かわいいかわいい、よしよし」
そう言って私より圧倒的に背の高い治の頭を、背伸びをして撫でた。
治「…腹減った、早く食べよ」
A「せっかく可愛いって言ってあげたのにスルー？」
まぁいいや、しっぽは元気だし、きっと嬉しかったことに変わりはないんだろう。
・
治「んんん〜〜！うまい！」
A「よかった〜」
治「油揚げ食べるんも久しぶりやしやばい
でも俺が食べてきた油揚げの中でいちばん美味い」
A「やったぁ、嬉しいわ」
そう言えば、治は前の飼い主の所に行くまではどこにいたのだろう。
A「ねぇねぇ治、治は私の家に来るまでは、どんな人に飼われてたん？」
そう質問すると、油揚げを食べる手を止めた
治「えっとなぁ、最初は普通に家族と暮らしててん。
でも家族とでっかい喧嘩して、俺は1人で…いや、1匹で家飛び出して、そっから１回施設にあずけられてもうて…
施設めっちゃ最悪やったわ、ほんまに。
やから逃げたってん。めっちゃ頑張って
そしたら前の飼い主が拾ってくれてんけど、
拾われて1週間後に人間の姿現してん。
さすがにずっとキツネのまま騙すんは失礼やなぁとおもて、…
んで、そしたらめっちゃビビられて捨てられた
ほんでここに来たって訳や」
A「そうやったんや」
治には、家族がいたんだ
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太宰亜里沙(プロフ) - ユピナさん» ありがとうございます！嬉しいです〜！北さんの作品もよろしくお願いします！ (2020年4月5日 23時) (
レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
ユピナ(プロフ) - お疲れ様でした！狐の治くんとても可愛く面白かったです！！次作の北さんの小説も読ませていただきます！改めて完結おめでとうございます(^-^) (2020年4月5日 23時) (レス) id: d18085f850 (このIDを非表示/違反報告)
太宰亜里沙(プロフ) - Ruuさん» ありがとうございます！ほんとですか！北さん精一杯かっこよく書きます！よろしくお願いします！ (2020年4月4日 20時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
Ruu(プロフ) - 本編完結お疲れ様でした！次作北さんなんですね！北さん大好きなのですごく嬉しいです！楽しみにしています！ (2020年4月4日 20時) (レス) id: b4a2fe1890 (このIDを非表示/違反報告)
太宰亜里沙(プロフ) - 青藍さん» 嬉しいです！ありがとうございます！更新しますね！頑張ります！ (2020年4月4日 19時) (レス) id: 9865e50aa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：太宰亜里沙
| 作成日時：2020年3月29日 12時
