影山が大好きな奥さんの話。【影山飛雄】【HQ】 (ページ36)

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Aside

少し怒鳴った口調で言ってしまったからなのか、飛雄は私の目を見てぽかんと口を開けていた。

A「………と、とびおさん？」

影山「…いや、予想外っつーか

Aに怒鳴られたの初めてだなと思って」

A「べ、別に怒ってるわけじゃないからね！？

ただ、私は飛雄がどこに行こうとついて行くよって言いたかっただけだから！」

そう言うと、飛雄は安心したように笑みをこぼした。

影山「＿＿＿どこかで分かってた

Aがそうやって言ってくれること

でも、それがAの自由を奪う事になるなら

それは正しくないって思ってた」

バレーに一直線で、バレーの事になると周りが見えなくなってしまう時期もあった。

勝利にはいつだって貪欲で、それを成し遂げるための努力だって何食わぬ顔でする。

そんな飛雄が、バレーの事を考える時に私の事で悩んで、進めずにいたんだと思うと、悲しいような、でも嬉しいような、変な感覚に囚われた。

A「言ったじゃん。飛雄の夢は、私の夢なんだから

飛雄がしたい事、全部私にも伝えてよ

私だって出会った頃から飛雄は世界で活躍する人だって、分かってたんだから！

飛雄が思ってるよりも、私は飛雄の事大好きなんだよ」

影山「＿＿＿おう、さんきゅ

なんか、おかげでスッキリした

…あと、昨日は悪かった。気持ちに余裕なくて、何も悪くないAに八つ当たりした」

朝起きてAが隣に居ない事なんて久しぶりで、思った以上に辛かった。

飛雄から発せられた言葉に私の心も淀んだ。

A「私も、辛かった

飛雄の存在が想像以上に自分の中で大きくなってたのが分かったよ」

お互いにお互いがどれだけ大切か、今回身に染みてわかった気がした。

A「…こうゆうの初めてだったから、分からないことばっかりだったよ」

影山「ああ、俺も」

そう言って笑った飛雄の顔色は、昨日と比べて格段に良くなっていた。

それを見て、私の心も酷くほっとした。