よかった ページ22
つゆりside
『研磨！！』
「…つゆり？」
…夢から、覚めたみたいだ。
勢いよく起き上がり研磨の名を呼んだ私を見て、研磨は眉をひそめ、怪訝そうな顔をした。
「…熱は？」
研磨の手が、私の額に触れる。
「…下がってる」
どこから持ってきたのか、体温計を差し出すと、
「…ほら、」
熱を測った。
［37.0］
いつのまにか、倦怠感がおさまっている。
「…大丈夫？」
『うん、寝てスッキリした』
ふと、壁に掛けられた時計を見る。
『…6時！？』
どんだけ寝てたんだ私…
『やっば…』
どうしよ。
伊達工の人たちに申し訳なさすぎる。
「…ゼリー食べる？」
『誰が買ってきてくれたの？』
「…茂庭さん」
あとでお金返しに行こ。
『私がお世話になった人って誰だろ…』
「…音駒と伊達工のみんな、あと菅原さん、縁下君、
及川さん、国見君、赤葦さん、北さん…かな」
ヤバい。
クソ川にお世話になってたとか背筋が冷える。
『…お礼しに行こ』
あとマネージャーのみんなにも迷惑かけちゃったし。
謝りに行かなきゃ…
「…つゆり」
『何？』
「…元気なんだよね？」
『元気』
「…ならよかった」
安心して肩の力が抜けた研磨が可愛い…
「…でも、無理はしないで」
『はーい』
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作者名：tonight | 作成日時：2022年11月22日 20時
