👿実に面白い事になったね ページ41
マルフィside
「状況を整理しようか」
嗚呼、エイトフットの声が私の喉から出ているのは凄い違和感だ。でも仕方ないか。
今この場に居るのは私と、私の体になっているエース、そしてアップルの体になっているダルメシアの三人だ。
私の体にはエースが入っているのか…。ふむ…無表情に近い顔の私も美しい!
「ダルメシア、そんなに抱きつかれたら僕折れちゃうよ」
「でも、でもぉ〜!こうしてないと匂いがしなくて不安なんだ!」
アップルの体になってしまったダルメシアはそう言ってさっきからわんわんと泣いている。しかも私、いやエースに抱きついたままで。
「エース、写真を撮っても良いかい?」
「いいよ面白そうだから!」
「素直で大変よろしい」
パシャっと一枚取ってついでにエースの顔をアップにして撮る。ふふ、後で現像して部屋に飾ろう。
「っと、それどころじゃないな。この調子だと他の三人も私達と同じように別々の体になっているはずだが、原因は何かを突き止めないといけないね」
私の言葉に二人が頷く。とは言っても私も彼らもおかしいことはしていないはずだ。エース、ジャック、アップルの三人に関しては特に関係ないだろう。昨日は丸一日魔法とは無縁の日を過ごしているはずだ。
「となると…ハイタワーの不調だろうか?」
「ハイタワーの?」
「あぁ。此処は人目に出ているハイタワーと同じだが、私達と彼らの居る次元は違うんだ。つまり私達が人の居るエレベーターホールを歩いても、普通なら感知されない。存在する次元が違うからね」
パラレルワールドと同じ原理で出来ているこの空間は、特殊な魔法で維持されているからこそ成り立っている。その魔法に不調が起きれば、中に居る私達にも影響が及ぶかもしれないという推測だ。
「つまりそれが治るまでこのままってこと?」
「だろうね。困ったものだよ、この体だと疲れが溜まって今にも眠りそうだ」
エイトフットも中々の無茶をするやつだ。こうしている間も睡魔が襲いかかって瞼が閉じそうになる。
「……」
「?どうしたのダル」
「アップルの体だからかなぁ?何だかエースにくっついてると凄い安心する!」
にこっと笑うダルメシアがまたギューッと私、エースに抱きつく。傍から見るとアップルが私に笑顔で抱きついているんだけどなぁ…本人が見たら卒倒しそうだ。
「よしよし、戻るまで一緒に居ようね」
「うん!」
…姿が違っても中身は可愛いなぁ。
🐶困ったことになった!→←♡いつもと同じ朝が来ると思うじゃないか
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2022年10月20日 0時