♡初めての面倒事 ページ5
エースside
Vの部屋に入ると、そこにはVの他にハーデスも部屋の中に居た。珍しいなこの組み合わせ。初めて3人で集まるんじゃない?
「突然ですまないね二人共」
『お気になさらず。…それで、緊急の要件とは?』
仕事だらけの僕を呼ぶほどの事なんだろう?早く話してほしいな。
「立ち話ですまないが、実はエレベーターホール付近に毎晩悪霊が集まっていると夜間スタッフから報告が入ってね。これじゃあ昼の間に支障が出る可能性があるから、ハーデスちゃんの悪霊回収の護衛をしてもらいたいんだ」
「…構いませんが、ハーデス一人で事足りるのでは?」
「私の炎は命を吸うのよ。うっかり燃やしでもしたら、このホテルに使われている建材が燃え尽きるけど良いの?」
『それは…だいぶ駄目だね』
建材燃えたらそれこそ建物が崩れちゃうよ。…嗚呼、だから僕とアップルが選ばれたのか。
「魔法も優れていて相性のいい二人だ。二人で協力して悪霊の無力化、ハーデスが回収の流れでやってきてくれないかな?お客様の為にもなるべく早めに片付けたいからね」
「お任せを。私の毒で侵して見せましょう」
『首を刎ねればいいんだろう?僕の得意分野だ』
Vに胸を張って言えば、彼はちょっとだけ笑って「任せたよ」と言ってくれた。
一礼して部屋を出て、3人で早速一階のエレベーターホールへと向かう。先頭を歩くハーデスの炎から火の粉が散って、キラキラと僕とアップルの周りを漂った。
「先に言っておくわ」
ふとハーデスが立ち止まって振り返った。
何だろ?何か問題でもあったのかな?
「今回の仕事はとてもハードよ。悪霊は形あるものに執着して取り憑こうとする。貴方達も例外じゃないから、せいぜい乗っ取られないようにすることね」
『ハーデスは大丈夫なの?それ』
「私は元々冥界の炎。寄ってくるだけで燃え尽きるからご心配なく」
成程ねぇ…おばけに関しては彼女の方が強そうだ。
話し終えたとばかりに歩き出すハーデスの後に続いていくと、アップルが僕の肩を叩いてきた。
『どうしたのアップル』
「…もし片方が乗っ取られた時は、容赦するなよ。私であっても躊躇うな、私も躊躇わない。…いいな」
『…りょーかい』
帽子を被り直して後を追う。流石にアップルは手にかけたくないなぁ……だって明らかに強そうだもん。
ま、早く終わらせてジャック達の所に行かないといけないから、ささっとやってしまおう。
🔥期待はしてないけど、信頼はしてるわ→←😈君達はいつも元気だね
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2022年10月20日 0時