♡酷い目に遭った後は ページ30
エースside
『酷いよマルフィ……トランプを水浸しにするなんて…』
「でもふやけなかったじゃないか。それにさっぱりしただろう?」
うぅ…本当に怖かった…。地獄のお風呂時間からやっと解放されて、今僕はマルフィの部屋で保湿クリーム?って言うやつを塗られてる。お風呂後のケアだとかなんとか…
「で、インク塗れになりながら駆け込んでくるほど嬉しいことがあったのかい?」
『!そう、そうなんだよマルフィ!僕ね、昨日ジャックとアップルにデートのお誘いをすることができ「はい顔上げて」んぶっ』
ちょっと、話してる途中なのにほっぺに塗らないで!
「デートのお誘いが出来たのかぁ〜、良かったじゃないかエース」
『ん〜…へへ、すっごい嬉しい』
頬が緩んじゃうなぁ〜…♪初めてのデート、どんな感じなんだろう…
「プランとか服とか決めてるのかい?」
『昨日レディ達と一緒に決めたぁ』
「そうかそうか。では明日に備えて今日は一段と美しくしなければいけないなぁ」
マルフィはクリームを塗る手を止めて、温かいタオルで手を拭いてからなんか瓶とか色々出してきた。
「肉体のケアを心がけるだけでも美しさは上がるものさ。それに君は少し幼く見える時もあれば大人のように色っぽい顔を見せる不思議な表情の持ち主だから、ネイルやリップを合わせるとより良いだろうね」
『リップ?僕の体男の子だよ?』
「メンズでも化粧はしていいんだよエース。レディのような愛らしさではなく、美の追求としてね」
へぇ…人間ってそんなこともしてるのか…。なんか難しいや。
「目元の赤と黒のメイクはそのままでもいいかな。後は…ちょっとお口、失礼するよ」
『ん』
きゅっと口を閉じると、マルフィがリップを塗ってきた。ちょっと擽ったい感触を唇に感じてムズムズしたけど、終わって鏡を向けられた時、ちょっと驚いちゃった。
『わぁ…!すっごいプルップル!』
そう、すっごいプルップルになってたんだ!ちょっとだけ色付いてるのかな?薄いピンクの唇はもうキラキラ光ってプルップルだった。
「ほら、美しいだろう?もう少し化粧をしてもいいかい?」
『うん!頼むよマルフィ!』
「お任せあれ」
マルフィって凄いなぁ…美しさを自慢するだけはある…
全く分からない化粧を、僕はマルフィに教わりながら色々試してみた。
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2022年10月20日 0時