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❤悪役ってそんなものだろう? ページ31

ジャックside

連れてこられたのはVの部屋だった。大きなテーブルを囲むようにV、エイトフット、マルフィ、ダルメシアが中で待っていて、僕は『やぁ皆』と挨拶をして一人皆が見える位置にある椅子に腰かけた。

「ご苦労アップルポイズン。……さてジャック、君が何故呼ばれたのか、分かっているかな?」
「勿論!エースの事でしょう?」

皆そんなに彼の事が聞きたいの?嫌だなぁ、話せることなんて少ししかないよ?

「そうだ。…マルフィとアップルポイズンから聞いたよ、ジャック。"人間"をトランプ兵にしてしまったとか…。どういうつもりでそんなことをしたのか、教えてはくれないか」
「どういうつもりも何も、簡単な話だよV。僕が彼を引き抜いた、それだけさ」
「ほぅ……?」

鋭い目が僕を射抜く。まるで心の内を透かしているようなその目に、僕は肩を竦めた。

「嘘なんて言ってないさ、寧ろそれこそが僕達の仕事でしょ?彼はアリスが好き、そしてこの現実に疲れ果てていた。だから僕が手を差し伸べたんだ」
「……そうか。だが彼らはこんな言葉も聞いている、君に乱暴されるような言葉だ。それについてはどう説明するのかね」
「乱暴?そんな事してないよ、僕は優しく手を引いてあげただけ」

静かな時間が流れる。じっと見つめてくるその目に負けないよう見返していれば、なんかため息つかれた。何で?

「…ジャック・ハート。彼の記憶を弄った事についてだけ教えて欲しい。説明次第では君のマスターに報告しなければならない」
「えー?何で?」
「何でじゃない。無理やり仲間に引き入れた疑いが掛けられていることを自覚したまえ。皆それで気が立っているんだ。そんな乱暴な手が許されるなら私たちもやっている、とね」

嗚呼、成程。確かにそんな事をされたら僕も怒るかも。

「ご心配無く。彼の記憶操作は辛い記憶を隠すため。引き入れる為にかけたわけじゃない。毒林檎とマルフィは聞いたんじゃないかな?彼の悲鳴。あれを聞いても僕が無理やりヴィランにする為にかけたって思う?」
「……いいや」
「あの悲鳴は相応の思いを味あわなければ出ないだろうね」
「そっ、だから辛い思いをしないようにかけただけさ。…説明はこのぐらいでいい?」

僕がそう言うと、皆黙り込んでしまう。まぁ納得してくれたならそれで良いんだけどね。僕の疑いも晴れるし。

「……彼には教えないの?」

その一言を聞いた途端、体がスッと冷えた気がした。

🐶だって寂しいじゃないか→←❤誰が手を出したの?



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設定タグ:ヴィランズ手下 , 男主 , ディズニー   
作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2022年10月11日 21時

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