❤ようこそ ページ4
ジョンside
『……何だ此処』
眩しさで瞑った目を開けると、そこは真っ白な空間だった。
いつも夢で見るあの光の先みたいな気がする。でも俺は起きてる。つまり夢じゃなくて現実だ。服だって学校で着ていた物のままになっている。
何だ此処。というか学校は?俺は今どうなってるんだ?
「__!_____。」
声がした。誰の声でもない聞いたことのない声だ。声のした方へ視線を向けると、そこには黒い人影が立っていた。
『何だお前。お前が俺をこんな所に連れてきたのか?』
「__________。__________、___________。」
人影はやれやれと言いたげに首を横に振ってから、俺の方に歩いてきた。俺は咄嗟にリュックを背中から降ろしていつでも振れるように構える。
『寄るな!俺を此処から出せ!』
「_、___、___________!」
『何言ってるかさっぱり分からない!』
「__!?___!?______________!?」
な、なんか……ショックを受けて、いる…?
人影は頭を抱えるようなポーズを取って驚くように仰け反った後、そのまま俯いた。多分…ショック受けてる。何故かは分からないが。
「_________、_______________。」
『だから何言ってるのか分かんないって「__________、また来るね」……!?』
その声が聞こえた途端、またあの薔薇の香りがした。
「って、聞いてるのかジャック!」
『…!』
え、ぁ……此処……通学路…?裕介も居る……
「大丈夫か?ぼんやりして」
『いや、その、さっきまで俺、下駄箱の前で…』
「何言ってんだ?今まで俺と喋りながら下校してただろ?」
『は……?』
そんな筈無い。俺はあの手紙を読んで、白い空間で人影と話してて…
「何かあったのか?」
『……いや、何でも無い…』
何だったんだ、あれは…不思議体験、ってやつか?
思い詰める俺の鼻先を、あの薔薇の香りが掠めた気がした。
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2022年10月11日 21時