♡何だかおかしい気がする ページ29
エースside
ジリリリッと鳴り響く目覚まし時計の音で目が覚めた。ベッドから手を出して3回叩いて止めたところで、僕は何故か物凄く体が重いことに気がついた。
『……あれ…?』
体が凄く重い。疲れのせいかと思ったけど違う、何だか水を含んで重くなったような感じだ。
おかしいな……飲み物は飲んでも大丈夫、お風呂なんて入らなくてもいい体だし、雨にも降られてない。じゃあ何でこうも体が重いんだろう?
どうにかして起きようと腕に力を込めて起き上がると、ボタタッと目から液体が垂れてベッドに滴り落ちた。何だこれ、薄紫色の水?
「おっはよー!よく眠れたかいエー……」
『あ、ジャック。おはよう、今日もオウムのように煩くて面白い「ねぇ、昨日何してたの」え?』
ツカツカと歩み寄ってくるジャックの顔は険しい。ジャックは僕の前まで来ると、右目をぐいっと指で拭ってきた。
「これ、アイツの毒だよね」
黒い手袋でも分かる液体特有の輝きに、ジャックは嫌そうに手を払う。そのまま「動かないで」と僕の両肩を掴むと、トントンと僕の頭を右手で叩き始めた。
『な、何?ジャック』
「……ここかな」
『だから何だっt』
ブツッ
『……あ、おはようジャック』
「おはようエース!今日も君は可愛いね」
何だ、ジャックが起こしに来てくれたのか。となると目覚まし時計が仕事しなかったんだな?
「今日も処刑かい?」
『うん。リクルートもあるから早めに片付けるよ』
「そっか!僕は今日ワンダーランドでの仕事だけだから、帰ってきたらトランプタワーでもしよっか!」
『いいよ。今日は僕がてっぺん作りたいな』
「仕方ないなぁ〜、たまには譲ってあげよう!」
『やった!』
そうなったら早く仕事に行かないと!服を着て帽子を被って、部屋を出てワンダーランドに繋がる絵へと足を進めた。
世界に入ってサクサクと緑色の芝生を踏みしめてお城へと向かう。あ、ここ白薔薇のままじゃないか!あっちもこっちも!!また仕事が増えたじゃないか!どうせクラブの誰かだろうし、申告して首を刎ねないと!
今日は気分がいい!何だかとってもいい気分だ!頭の中でチクタクチクタクハニートーストの蝶が飛んでる気分だよ!あれ?蝶はチクタク飛ばないんだっけ?まぁいっか!
今日も僕の世界は規律ある素晴らしい国!嗚呼、この国で働ける僕は最高の"トランプ兵"だ!!
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2022年10月11日 21時