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♡僕の一日 ページ15

エースside

僕の一日はいつも大変だ。
ジリリリッと煩く喚く目覚まし時計を3回叩いて黙らせてから、奇妙に曲がったベッドからのそのそと起きる。まだ温かいベッドの中から何とか脱出すると指でスッと動かすだけで飛んでくる服と帽子を纏って、お茶会の場へと足を運ぶんだ。
お城の廊下はとってもへんてこだ。真っ直ぐな廊下なんて存在しない。ぐねぐね曲がったり上下逆さまになってたり。新兵の時はびっくりしたなぁ、今はすっかり慣れちゃったけど。
廊下にかかった赤い絵に体を突っ込めばそこはお茶会の場所近くの庭に出る。そのまま絵を通って庭に降りたら、ペンキを滴らせて咲き誇る薔薇の横を通り過ぎてお茶会の場に行くんだ。

「やぁエース!今日もカエルが潰れたような顔で可愛いね!」
『そう言うお前は今日も蛇に締め上げられたネズミみたいにうるさくて面白いよ』
「本当!?光栄だなぁ!あ、ネクタイが曲がってるよエース!またマルフィに怒られちゃう!」

ポンッと音を立てて現れるポットにティーカップ。先にお茶会の準備をしていたジャックに手を引かれて席につくと、ジャックはせっせと僕のネクタイを直してくれた。

「うん、ばっちり!今日はリクルーティングに行くんだろう?僕も一緒に出るから、一緒に沢山の人間を虜にしようね!」
『あー……その前にしっかりと今日分の処刑を済ませて薔薇を塗らないとなぁ…薔薇を塗るのは苦手なのになぁ』
「そう言わないでエース!僕は君の塗った薔薇が大好きだよ!一枚一枚丁寧に塗られててとても綺麗さ!」

皿の上に乗せられたおっきなラスクにバターとジャムをたっぷり塗るバターナイフを眺めながら、ふよふよと手のひらに乗ってきたラスクを一口食べる。ジャックはそんな僕の様子を見てこれまたにっこりと嬉しそうに笑っていた。

「それに斧を振るって首を刎ねる君も素敵さ!真っ赤なペンキに染まって一段とかっこよく見えるよ!」
『……ジャックにそう言われると照れちゃうなぁ、僕。よぉし、頑張って仕事しないとね』
「そうこなくっちゃ!僕も手伝うよ、薔薇を塗る方だけね!」

ケラケラ笑ってラスクを食べるジャックを見つつ紅茶を飲む。熱くて冷たくて甘くてしょっぱいその紅茶を飲み干してから、唇に人差し指を添えてチュッとキスをした。

『行ってくるよ』

そのまま投げキッスしてやると、何故かジャックは胸を押さえて蹲っていた。
さ、仕事に行くとしよう。


「何処で覚えてくるんだろうあんなの…」

♡僕は最高のトランプだ→←❤こっちが本当の君だよ、あんな自己紹介嘘っぱちさ



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設定タグ:ヴィランズ手下 , 男主 , ディズニー   
作品ジャンル:ファンタジー
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2022年10月11日 21時

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