Love given with chocolate《スメール》 ページ13
アルマside
「ハッピーバレンタイン!」
『騒がしい』
ズバンっと開かれたドアの先。カーヴェが至極楽しげに帰宅してきた。
ヘッドホンのノイズキャンセリングを切り『お帰り』と声をかけると、彼は目をキラキラと輝かせながら「ただいま!」と笑顔で返事を返してきた。
……どうしたんだ一体。とても機嫌が良いようだが……。
「早速だがアルハイゼンを呼んできてくれないか。今日は非番だっただろう?」
『……?分かった。少し待っていてくれ』
何か用でもあるのだろうか?まぁいい、呼んでこよう。
俺はソファから立ち上がり、アルハイゼンを呼びに彼の部屋に向かった。
「で?随分と機嫌が良いようだが、何かあったのか?」
アルハイゼンがソファに座りながらカーヴェに尋ねる。共にリビングに戻った俺もアルハイゼンの隣に腰掛けると、カーヴェが胸を張って自慢げに語り始めた。
「今日はバレンタインだろう?でも僕は予め彼に"チョコは要らない"と伝えておいた。何故か分かるか!?」
『あぁ、そう言えば言われたな』
「道理で彼からの贈呈品が無いと思った訳だ。それで?彼からの貴重なチョコを断ってまで自慢したい事は何だ。言っておくが俺はすこぶる機嫌が悪いぞ」
睨みつけるアルハイゼンが腕を組んで首を傾げる。美人の睨みほど恐ろしいものは無いな。
「ふふん、君の機嫌なんてすぐ良くなるさ!メラック、アレを出してくれ!」
「ポピ!」
アレ?一体何を……。
メラックが何かを取り出す。ズドンッとテーブルに置かれたのは大量の果物や菓子、そして__。
「これは……チョコレートファウンテンか?」
チョコレートファウンテン。そう呼ばれる機械が目の前に聳え立っていた。
「そうだ!今年は貰うだけじゃなく、彼にもあげたいと思ってね。これなら三人で食べ合いっこができるだろう?」
ほぅ……。……貰うだけではなく、渡す事もできる……。
「どうだアルハイゼン!これなら文句は無いだろう?」
ふふんと胸を張るカーヴェに対し、アルハイゼンは無言でファウンテンにチョコを足し始めた。
「って、おい!僕に礼の一つも言わずに始めるんじゃない!」
「俺は彼との時間を少しでも無駄にしたくないだけだ。君への礼は後でしてやる」
「君ってやつは…!僕だって彼と一緒に過ごしたいんだぞ!ほらもっと詰めろ!座れないじゃないか!」
二人に挟まれ、俺はチョコレートを纏った果物や菓子を二人に食べさせてもらった。
……貰う側になるのも、悪くはないな。
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ツキ夜(プロフ) - ありがとうございます!楽しみにしてます! (3月1日 12時) (レス) id: 6c2b368240 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - ツキ夜さん» リクエストありがとうございます!次回作の方で書かせて頂きますね! (3月1日 11時) (レス) id: b4c1d12b6b (このIDを非表示/違反報告)
ツキ夜(プロフ) - コメント失礼します!新たにリクエストしたいのですが、主人公組にアスレチック?パルクール?的なのをやって欲しいです!あと、みんなの運動神経てどれぐらいなんですかね?やっぱめちゃくちゃいいんでしょうか?そこら辺も言及してくれると嬉しいです😭採用お願いします! (3月1日 1時) (レス) @page30 id: 6c2b368240 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - ツキ夜さん» コメントありがとうございます!フウマ君は主人公組の中で1番反応良い子なので今回たくさん叫んでもらいました😊リクエストありがとうございました! (2月26日 14時) (レス) id: 32d1282221 (このIDを非表示/違反報告)
ツキ夜(プロフ) - ありがとうございます!それぞれの反応が面白過ぎてずっと笑ってましたw特にフウマ君の反応が面白すぎて、ww (2月26日 3時) (レス) @page34 id: 6c2b368240 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2025年2月11日 23時