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第一幕 -炎帝祭- ページ30

「何故、そこまでするんだ」

分からない。何故お前はそこまでしてくれるんだ。
炎帝祭は中止に追い込まれた。事件が解決するまでは再び開催されることはないだろう。最悪の場合、今年はやらずに終わるかもしれない。

だというのに、どうしてお前はそこまで拘るんだ。


「だって、鍾離先生の大切な人なんでしょ?」


彼の一言に、トクリと胸が跳ねた。

「炎帝祭の準備をしている間、すごく楽しそうだった。炎帝の為にすっごい頑張ってる先生を見てたら、誰だって先生が炎帝のことが大好きなんだって分かるよ。……だから、俺は諦めたくない」

上体を起こした彼はまっすぐ俺を見る。美しい金色の瞳はどこまでも澄んでいて、あの火柱を受けても尚美しく輝いていた。

「……勝てるかどうかは分からないけど、それでも……俺は先生が一生懸命用意したお祭りを、このまま終わらせたくないよ」

………そうか。お前はあんな事をされても尚、俺達の為に駆けると言ってくれるのか……。

「……お前は度を越したお人好しだな」

呆れ返るほどのお人好しだ。俺でさえ驚くぐらいの。

「そうかな?」
「あぁ。……だがお前がそういうのなら、俺も頑張ってみよう」

諦めずに立ち向かおう。どんな結果になったとしても。

「明日の朝、パイモンに礼を言うといい。彼女が声をかけなければ俺はお前の元に駆けつけられなかった」
「……!うん、分かった。先生はこれからどうするの?」
「俺は凝光殿に事態が解決するまで炎帝祭の先延ばしを提案するつもりだ。その後はお前と同じく犯人を探そうと思う」
「そっか。じゃあ一緒に頑張ろう」

一緒に……。……っはは。

「あぁ、共に励むとしよう」

伸ばされた手を優しく握ると、目の前の金色は柔らかな笑顔を浮かべた。
もうすぐ夜明けだ。また会おう、旅人。

第二幕 -月夜の犯行-→←第一幕 -炎帝祭-



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九龍(プロフ) - 美蕾さん» コメントありがとうございます!無理しない程度に頑張ります! (7月25日 15時) (レス) id: c0b6840b43 (このIDを非表示/違反報告)
美蕾(プロフ) - 続きがぁ気になる…此れからも更新頑張ってください (7月22日 8時) (レス) @page35 id: a80e3e86a4 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - もにもちさん» ありがとうございます!更新は遅くなると思いますが頑張らせて頂きます! (2023年12月11日 2時) (レス) id: c0b6840b43 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - わぁーー璃月きましたか!!めっちゃ待ってました!楽しみです!!これからも頑張って下さい!! (2023年12月10日 15時) (レス) @page4 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2023年11月26日 14時

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