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第一幕 -炎帝祭- ページ13

鍾離side

黄金の花畑はいつも輝いていた。甘く爽やかな香りを纏って。

『"御前も来い、モラクス"』

白き衣に身を包んだ彼の石の手が差し出される。その手を握って駆け出せば、黄金の花弁が宙に舞った。

『"若陀!御前にも見えているか!"』
「"嗚呼、見えているぞ友よ。よく似合っている"』
『"っはは、そうか。俺に似合うならば、モラクスにもよく映えるのだろうな"』

花を手に笑うお前の顔を若陀と共に眺めていた。明るく、優しい笑顔だった。


「……」

朝日が顔に当たって目が覚めた。また今日も、思うように寝付けなかった。

「(またか……)」

寝台から身を起こし、小さく息を吐いて髪を掻き上げる。日が経つにつれて酷くなっているようだ。

最近は見ないと思っていたのだがな。過去を夢に見るなど早々無いと思っていた。
きっと炎帝祭が近いからだろう。この祭りは彼奴が心から楽しんでいたものだった。


だから夢に見るのだ。あの灼熱に燃える赤い目を、優しい笑顔を、瞼に描いてしまうんだ。


「鍾離さーん?起きてる〜?」
「……!あぁ、起きているぞ」

堂主の声だ。俺が寝台から立ち上がると同時に、「入るね〜?」という声の後、ゆっくりとドアが開いた。

「おはよう鍾離さん!今日はお仕事無いから好きにしてていいよ。買い物ありがとね?」
「なに、あの程度安いものだ」

往生堂に世話になっている分、仕事はしっかりとこなすとも。しかし今日は休みか……ふむ……。
なら旅人にでも会いに行こうか。今頃天権の許しの下、犯人探しに奔走しているだろう。

「ご飯は出来てるから、色々終わったら食べてね〜」
「分かった」

堂主は手を振り立ち去っていく。手早く着替えを済ませ、髪を結い上げ、しっかりと身支度を終えてから部屋を出ようとした時、窓の外に鮮やかな金髪が見えた気がした。

旅人とパイモンだ。既に起きて犯人探しをしているのだろうか?

「……感謝する」

お前達の慈愛の心に、きっと彼奴も喜んでいるだろう。
……ふぁ……。……何だか眠気が抜けないな………。夜更かしをした覚えはないのだが……。

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九龍(プロフ) - 美蕾さん» コメントありがとうございます!無理しない程度に頑張ります! (7月25日 15時) (レス) id: c0b6840b43 (このIDを非表示/違反報告)
美蕾(プロフ) - 続きがぁ気になる…此れからも更新頑張ってください (7月22日 8時) (レス) @page35 id: a80e3e86a4 (このIDを非表示/違反報告)
九龍(プロフ) - もにもちさん» ありがとうございます!更新は遅くなると思いますが頑張らせて頂きます! (2023年12月11日 2時) (レス) id: c0b6840b43 (このIDを非表示/違反報告)
もにもち - わぁーー璃月きましたか!!めっちゃ待ってました!楽しみです!!これからも頑張って下さい!! (2023年12月10日 15時) (レス) @page4 id: 4864a15202 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2023年11月26日 14時

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