🖤起きてみたら ページ42
エースside
朝日が顔に当たって目が覚める。…背中に当たるシーツの感触が無い。代わりにとっても体が重い。気怠いとかそう言うのじゃなくて、物理的に重い。
『……どういう状況……?』
何で僕床で寝てるの?昨日の記憶なんにも無いんだけど……。…って、あれ。何かこの場に全員居ない?
左を見ればジャックが僕の腕に抱きついてスヤスヤ寝ている。右を見ればアップルが僕を包むように抱きついて寝てる。で、ジャックの背後にはマルフィが綺麗な仰向けで寝てる。頭上を見ればダルがワンちゃんみたいに丸まって寝ていて、足元にはこんもりとドーム状になった毛布からジョーの白銀みたいな髪の毛が見えた。
『(これ、どういう状況……!?)』
本当に昨日何があったの!?全く憶えてないんだけど!?た、確か数日前からかなり処刑やら仕事が立て込んでお城に籠もりっきりで……、その前の件もあって魔力があんまり安定してなくて……えっと、それでその後どうなったっけ…!?い、意識がぶっ飛んだ記憶しかない!
『……(これ、動いたら起きちゃうよね)』
今日は一番いい日だ。散々捌いた仕事が全部片付いたおかげで、今日一日お休みを陛下から頂いている。…たまにはこんな起床もいいか。
枕に頭を戻して天井を眺める。温かい日差しの温度と皆の体温が混ざったような部屋は、胸がじんわりするような何とも言えない温かさがあった。ジャックとアップルの腕を取って引き寄せて、毛布と一緒に埋まるとすっごい幸せで…思わず笑顔が溢れた。
だって二人共いつも喧嘩するから、こういう時じゃないと二人同時に抱き締めてくれないんだも「ん゛んっ…」…………え。
「……何してるんだエース…っ」
『ア、アップル起きて…っ』
「全員起きてるからな」
「おはようエースー!!すっごい可愛いねー!」
『わぁああああぁっ!?』
ジャ、ジャックもジョーも起きてたの!?マ、マルフィも毛布で顔隠して笑ってるな!?ダルは、ダルは今起きたね!目擦ってるね!おはよう!!
『い、いいいつから…っ』
「腕取ってにへーって笑ってた辺りから♪」
「何をするのかと思えば…本当にお前は……っ」
『わ、忘れて!忘れてったらぁ!!』
恥ずかしくて顔出せないよ!?毛布を被って隠れてもすぐに剥がされて、真っ赤になってるであろう僕の顔を見て皆楽しげに笑うんだ。
「じゃ、皆起きようか」
マルフィのその一言で皆起きてくる。賑やかな部屋の中も、たまには良いなってちょっと思った。
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作者名:九龍 -くーろん- | 作成日時:2022年10月31日 1時