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｢ここのクロワッサン、めっちゃ美味しいんですよ。｣
と、トングを手にニコニコしながら
クロワッサンを3つほどトレーに乗せている。
｢それ、1人で食べるんですか？｣
｢うん。あ、ひとつはミオさんの分ね。｣
｢えっ、そんな･･･全然、気遣わないでください。｣
平野さんの笑顔があまりにも眩しいから
さっきからずっとパンとしか目を合わせていない。
そんな私の隣から、クスッと聞こえてくる笑い声。
不思議に思って、ようやく顔を上げると
｢店にいる時と、全然雰囲気違いますよね。｣と、
完全オフモードの私を、面白がっているのか
ふわっと、いい匂いを纏いながら笑っている平野さん。
｢でも、よく気づきましたね。私だって。｣
ついつい買いすぎちゃったパンを手にぶら下げ、
私の隣にずっと肩を並べている平野さんと店を出ると
｢だって俺、あれからすげーミオさんのこと、考えてて。｣
えっ、と目を見開く私の先に
ただただ余裕そうな表情で笑みを浮かべている平野さん。
まだ、源氏名で呼ばれてるからセーフだけど
その台詞を本名に変えて言われちゃったら
完全に、コロッと落ちてたよ。
｢ミオさんが言ってた言葉が、ずっと頭に残ってたんですよ。｣
｢･･･言葉？｣
｢眠れない夜が大嫌いだって、俺もずっとそんな感じだったから。｣
さっきまで、柔い笑みを浮かべていた平野さんの顔が
一瞬、切なげに歪むのを見逃さなかった。
｢それに、俺の元カノもミオって名前だったから。｣
と、視線を落とす姿に
何故か私の口は慌てて動いてた。
｢あの、ミオっていう名前は、本名じゃなくて源氏名で。
私、Aっていうので･･･だからあの、
なるべく辛いことは思い出さずに過ごしましょ！｣
私の名前を口にする度に、胸を痛ませてるんじゃないかって
サラッと伝えた本名に、平野さんの眉が少し上がる。
｢Aさんっていうんですね、
確かに、そっちの方がしっくりくるかも。｣
｢はは、そうなんですよ。｣
納得！といった表情で、今度は小悪魔的なセリフを口にする。
｢店の中のミオさんも素敵だけど
プライベートのAさんは、もっと素敵なんですね。｣
まるでホストみたいな口の上手さに、
完全にあんぐり状態。
きっと、間抜けな顔している私の顔を再び覗き込んで
｢よろしくね、Aさん。｣と、追い討ちでキラースマイルをぶっこんできた。
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ひより(プロフ) - aさん» ありがとうございます(*^^*)話数が余りましたら、おまけとしてアップしますね♡ (2023年3月23日 21時) (
レス) @page8 id: 2f81b88338 (このIDを非表示/違反報告)
a(プロフ) - エンジェルキッス、素敵なお話すぎました（ ; ; ）また機会があれば続編も見てみたいです（ ; ; ） (2023年3月23日 13時) (レス) id: a51afee712 (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - ゆの（KP）さん» ありがとうございます(*^^*)ぜひ次回の更新時も読んで頂けると嬉しいです♡ (2023年3月23日 12時) (レス) id: 2f81b88338 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの（KP）(プロフ) - すんごく素敵でした、すんごくおもしろかったです、また読みに来させていただきます。 (2023年3月22日 16時) (レス) @page21 id: ebd16971c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひより
| 作成日時：2023年3月22日 0時
