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｢･･････優太、｣
泣きそうになってる私の視線の先には、
同じように泣きそうな顔をしている優太。
ねえ、なんでそんな顔をするの？
私に無理やりキスしてきた彼に、どうして怒ってくれないの？
目の前の彼に向けた怒りと、
上から私を呆然と見下ろしている優太に向けた悲しみが
せめぎ合って、とても苦しかった。
｢あー、俺、課長に呼び出されてるんだったわ。｣
流石にこの状況には、バツが悪そうな顔をして
逃げるように階段を降りていった彼に、罵声を浴びせるほど
私のメンタルは強くなかった。
｢･･････A、･･･あの人の事、好きになっちゃったの？｣
｢えっ、何言ってるの･･･？｣
｢だって･･･キス、してたし。｣
揺らぐ瞳が映す、私の姿は どれくらい情けなかったんだろう。
いくら、所属部署が変わって
忙しくなって会えない日が続いたからって
優太は、もっと･･･私の事、見てくれてるんだと思ってた。
それなのに、私･･･馬鹿みたいじゃん。
優太に余計な心配させたくなくて、
ここまで一人で耐えて
その挙句の果てに、疑われちゃうなんてさ。
私、もうこれ以上 平気なフリ出来ないよ。
｢･･････優太って、本当に私の事好きだった？｣
｢えっ？｣
｢告白されて、断れなかったから
仕方なく付き合ってるとか･･･そんなんじゃないよね？｣
感情任せに口から出た言葉は、
簡単に私と優太の関係に大きな亀裂を入れた。
自業自得だって、分かってる。
すぐに誤解を解いて、その場で説明すればよかったのに。
優太の瞳に映る私が、あまりにも切なくて
もう、終わりにした方が楽なんじゃないかって
脆くなっていた心のせいで、正常な判断ができずにいた。
それから1ヶ月もしないうちに
一気に精神的にやられてしまった私は
優太とちゃんとした別れ話もせずに、誰にも相談なく退職届を出し、しれっと会社から姿を消した。
会社から近いことを条件に選んだ部屋も、解約して
心機一転、前より広い部屋に超してきた私は
転職する訳でもなく、その場しのぎでお金を稼ぐために始めた夜職を、気づけばダラダラと、半年間も続けていた。
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ひより(プロフ) - aさん» ありがとうございます(*^^*)話数が余りましたら、おまけとしてアップしますね♡ (2023年3月23日 21時) (
レス) @page8 id: 2f81b88338 (このIDを非表示/違反報告)
a(プロフ) - エンジェルキッス、素敵なお話すぎました（ ; ; ）また機会があれば続編も見てみたいです（ ; ; ） (2023年3月23日 13時) (レス) id: a51afee712 (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - ゆの（KP）さん» ありがとうございます(*^^*)ぜひ次回の更新時も読んで頂けると嬉しいです♡ (2023年3月23日 12時) (レス) id: 2f81b88338 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの（KP）(プロフ) - すんごく素敵でした、すんごくおもしろかったです、また読みに来させていただきます。 (2023年3月22日 16時) (レス) @page21 id: ebd16971c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひより
| 作成日時：2023年3月22日 0時
