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これから、私と優太の関係は
もっと素敵なものに変わっていくんだと思ってた。

だって、あの日の夜は
お互いの気持ちを確認し合って
寄り添いながら幸せな眠りについたから。










だけど翌週、とある状況での優太の言動に
私は再び大きな不安を抱える事になる。













「・・・・・・・・・優太?」





週末の夜に、会社の上司たちに誘われ
会社から一駅先の飲み屋街にある居酒屋でワイワイと飲んでいた日

2軒目、3軒目と 皆がお酒が入って
勢いがついてるタイミングで
終電で帰りたかった私は、そ〜っとタイミングを見計らって先に抜けることに成功した。

少しポーっとする頭で 騒がしい飲み屋街を抜けて
優太にそろそろ帰るね、とLINEを入れたあと
駅までの夜道を歩いていると


通り道にあるコンビニの前で、優太の姿を見つけて足が止まる。


心臓が、ドクン。と嫌な音を立てたのは
優太の前に綺麗なワンピースを着た女性がしゃがみこんでいたから。









「・・・あ、えっと・・・ちげーよ?」






立ち尽くす私と目が合った優太は
分かりやすく動揺していて。

そんな優太の姿に、嫌な想像しか出来なくて。

今すぐこの場から走って立ち去るか、
既に溢れそうになっている涙を優太にぶつけるか、

そんな余裕のない二択しか浮かばなかった。










「・・・・・・違うって、なにが?」








少し酔っているからかな。
今の私は、冷静になれそうにない。


優太は今日、取引先のお世話になってる人と
ご飯行ってくるって連絡くれてたけど
今、優太の目の前でしゃがみ込んでいる女性は

明らかに、取引先の人なんかじゃないよね?








「・・・あの、」







暫く顔を伏せたままだった女性が
ようやく顔を上げたかと思えば

その女性の目は涙で真っ赤になっていて。

どうして泣いているんだろう・・・
そんな疑問よりも、

濡れた瞳が、やけに色っぽくて綺麗だなんて思っちゃって。

こんな綺麗な女性が優太と2人きりでいる状況が
余裕のない私の心を、更に不安定なものにするんだ。




そして、優太は言う。





「いいよ、俺が後で説明するから。
とりあえず落ち着いたんならタクシー呼んで帰ろう。」




って。


私じゃなくて 目の前の女性に
優しい目をして、優しい声で言葉をかけたんだ。


泣きそうになっている私を後回しにして。

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ひより(プロフ) - aさん» ありがとうございます(*^^*)話数が余りましたら、おまけとしてアップしますね♡ (2023年3月23日 21時) (レス) @page8 id: 2f81b88338 (このIDを非表示/違反報告)
a(プロフ) - エンジェルキッス、素敵なお話すぎました( ; ; )また機会があれば続編も見てみたいです( ; ; ) (2023年3月23日 13時) (レス) id: a51afee712 (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - ゆの(KP)さん» ありがとうございます(*^^*)ぜひ次回の更新時も読んで頂けると嬉しいです♡ (2023年3月23日 12時) (レス) id: 2f81b88338 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの(KP)(プロフ) - すんごく素敵でした、すんごくおもしろかったです、また読みに来させていただきます。 (2023年3月22日 16時) (レス) @page21 id: ebd16971c6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひより | 作成日時:2023年3月22日 0時

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