＊ ページ16
.
｢頭上げてよ。
私、優太に怒ったりなんかしてないよ。
優太があの時、大変だったのは分かってるし
疑われたのはショックだったけど
誤解も解けて、良かったって思ってる。｣
優太の肩に触れて、顔を上げるように促す。
至近距離で見る優太の顔は
何だか少しだけ、やつれている気がした。
｢Aがいなくなってからずっと、
なんの為に頑張ればいいのか分かんなくなってたんだよね。｣
｢･･････。｣
｢俺、馬鹿だから
女心とか、よく分かってあげれねーし
安心させてあげられるような包容力もないけどさ、｣
｢･･････。｣
｢それでもずっと、Aのことは
大切にしたいって思ってた。｣
あの時、欲しかった言葉が 今になって耳に届く。
今はその言葉を、元彼女としてしか受け止めれないけれど
あの時の自分の気持ちが報われた気がして
心にずっと残っていたはずの未練がスっと消え去っていく。
｢もう、その役目は俺じゃないってのは分かってる。｣
｢･･････。｣
うっすら笑みを浮かべる優太は
どことなく悲しげで。
切なげに見つめられると、どんな顔をしていいか分からなくなるけれど
優太の言葉に思い浮かべたのは、
太陽みたいな笑顔を浮かべる、平野さんだった。
優太が、どういった経緯でその言葉を発したのかは
分からないけれど
この話し合いは、2人の関係を修復するためのものじゃなく
きちんと終わりにする為のものだってことを確認したいんだと思った。
｢俺、正直今でもAのことすげー好きだよ。｣
｢･･････。｣
｢でも、俺じゃあ幸せにしてあげれないからさ。｣
｢･･････。｣
｢だから、これからは
Aの幸せを1番に願える男でいたいって思ってる。｣
｢･･････。｣
｢今すっげーかっこつけてるけど、
ちゃんと本心だから。｣
照れたように笑う優太に、
そんなかっこいい言葉言えるんだねって
突っ込みたかったけど
それより先に、涙が溢れて
｢ちょっ、どうしたどうした！？｣
私の涙に、慌てる様子の優太に
クスッとできちゃうのが嬉しくて
ちゃんと、話し合うことが出来てよかったなって思ったよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 764人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「King&Prince」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひより(プロフ) - aさん» ありがとうございます(*^^*)話数が余りましたら、おまけとしてアップしますね♡ (2023年3月23日 21時) (
レス) @page8 id: 2f81b88338 (このIDを非表示/違反報告)
a(プロフ) - エンジェルキッス、素敵なお話すぎました（ ; ; ）また機会があれば続編も見てみたいです（ ; ; ） (2023年3月23日 13時) (レス) id: a51afee712 (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - ゆの（KP）さん» ありがとうございます(*^^*)ぜひ次回の更新時も読んで頂けると嬉しいです♡ (2023年3月23日 12時) (レス) id: 2f81b88338 (このIDを非表示/違反報告)
ゆの（KP）(プロフ) - すんごく素敵でした、すんごくおもしろかったです、また読みに来させていただきます。 (2023年3月22日 16時) (レス) @page21 id: ebd16971c6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひより
| 作成日時：2023年3月22日 0時
